働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

弱キャラ友崎くん Lv.4

弱キャラ友崎くん Lv.4 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
人生で一番濃密だった夏休みが終わり、2学期。俺と日南は少しだけ関係性を変えながら、それでも一緒に人生攻略を続けている。さて、2学期はじめのイベント、球技大会。日南から出された新たな課題は「やる気のない紺野エリカにやる気を出させること」。紺野エリカといえば、あの旧校長室で啖呵をきって以来、まともに言葉も交わしていない。だってこわいし。俺はクラス内の観察を通して、紺野エリカに通用する「武器」を探すが―?ボス戦再び!?大ブレイク中の人生攻略ラブコメ、待望の第4弾!

ガガガ文庫がほこる次世代の看板作家の実力もデビュー当時から全く衰えることなく傑作を世に送り出してくれている(副音声:弱キャラ友崎くんサイコー!!)
学園もの×人生攻略ラブコメのジャンルとしてはえぐいほどに人間関係を構築するテクニックと対話技術の粋が披露されていて、クラス内ヒエラルキーのトップに君臨するクラスメイトに最下層住民の我らが友崎くんがガンガンアプローチをしかけます。強キャラ日南さんの指導により徐々に成長の兆しを見せる友崎くんでも、たまーに「あっ、こいつミスったな……」と思える突発的なトラブルや、手際よく良好なコミュニケーションをとる光景が程よい案配で物語に練りこまれているので、よりリアルな人間関係が演出されていて面白いです。

計算ずくで人間関係を構築しようとすることがいかに高レベルの難易度であるか。友崎くんを通じて俯瞰するとどれだけ困難なことかがよくわかる。学校内かつひとつのクラスというコミュニティにおいて、集団を支配するその場の“空気”、会話の主導権を握る術、どれもこれもコミュニケーションを必要とするテクニック。それをいかに物語のなかに落とし込むか。膨大なページ数と丁寧な描写でかなり深く掘り下げられているので、読みごたえとしては抜群。自分が高校生だったらすぐに実践してみたいです。

道-MEN 北海道を喰いに来た乙女

道-MEN 北海道を喰いに来た乙女 (ダッシュエックス文庫)

《あらすじ》
20××年、北海道は独立国家となり日本との断交政策を実施。そんなある時、日本の工作員と思しき少女・早乙女めろんが捕縛される。北海道特殊機密部隊『道MEN』が対応に当たることになったのだが、彼女は自分の目的は破壊工作でも情報操作でもなく、ただ北の美食を堪能するために来たと言い張るのだった。道MENを率いる斉藤幸之助はなし崩し的に彼女の喰い倒れの旅をエスコートすることになるのだが、その最中、道内に潜伏していた千葉県の工作員から謎の襲撃を受ける。そして無数の思惑が絡み合い、最強と謳われる群馬県工作員までもが活動を開始する…。北海道メシ喰いまくりながらのアクション超大作、堂々始動!!

アサウラ×柴乃櫂人のコンビのアクション超大作! 北海道と日本の断交政策の施行。日本の首都の華やかな生活に憧れる“脱北者”の存在。そんな奇抜な作品でありながら、北海道と日本の政情について丁寧に作りこまれていて、作者ならではの独自の世界観というものが感じられた。端的に表せば「最高に面白かったです!(小並感)」の一言で十分。

北海道ならではの美味な食材の数々を伝える表現力でもって食欲を刺激するセンスは、“ベン・トー”の頃の感覚を思い出させてくれて、北海道の名産に割く文字数がこの作品がどれだけ食べ物に対しての比重を置いているかがビシビシと伝わってくる。もっとも、北海道にどんな美味いものがあるか全くわからない自分にとっては、「全部が美味そう」以上の感想は出てこないんですけど(笑)

主人公が北海道の特殊機密部隊の隊員かつ『北海道が日本と断交状態』『両者の情勢が芳しくない』ことから、北海道内外からの刺客とハイスケールアクションを繰り広げていて、読み応えがあります。アクションの描写も“ベン・トー”や“デスニードラウンド”を読んだことのある人ならわかると思うけれど、肉弾戦や銃火器を駆使したときの激動する戦局展開には手に汗を握るくらい熱い内容です。本当にバトルを書くのが上手くて感心する。
ちなみに選ばれた北海道民は異能力をもつらしいです。だから一応この作品は異能力バトルといったほうが厳密には正しいことになります。

作品の設定の細かさを地の文で表現する都合上から少々分厚い内容になっていて読むのは大変だと思うけれど、それを補って余りある面白い作品なので是非オススメしたい良作です。

生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)

生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

幸運なバカたちが学園を回す1 ~豪運ザコとカワイイ幼馴染~

幸運なバカたちが学園を回す1 ~豪運ザコとカワイイ幼馴染~ (MF文庫J)

《あらすじ》
矢内総流はかなり特異な運の持ち主だ。たとえば、ソシャゲでお気に入りのキャラが欲しくてガチャを回せば、まったく興味の欠片もないSSRを引いてしまうような、いわゆる“要らない幸運を引く”体質だった。そんな、人とは違う妙ちくりんな幸運を持った総流が―すべてが“運”で決まる学園に入学してしまった!時間割、食堂のメニュー、席替え、試験…学生生活に欠かせない、ありとあらゆるものが運試しによって決まるというとんでもない学園。そんな学園で総流は、小学校以来の幼馴染と再会する。…が、総流にとっては、それすらも“要らない幸運”だった!?これは、全然嬉しくない幸運を持つ少年と、愉快な仲間の物語。

時間割、食堂のメニュー、席替え、その他ありとあらゆる出来事がガチャで決められる特殊な学園のルールが際立っていて斬新……かと思ったけれど、過去の出来事で疎遠になった幼なじみとのエピソードや学園内の独自ルールの概要がイマイチしっくりこないし、単純にこのまま読み続けても面白そうとは思えないので読むのを止めました。

魔剣戦記 1 ~異界の軍師乱世を行く~ (オーバーラップ文庫)

魔剣戦記 1 ~異界の軍師乱世を行く~ (オーバーラップ文庫)

最強聖騎士のチート無し現代生活 2 魔王はポンコツな転校生

最強聖騎士のチート無し現代生活 2 魔王はポンコツな転校生 (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
デート中のユウキとイリスの前に現れた、魔王を名乗る謎の少女。魔剣を奪還しようと付き纏う彼女とユウキの激闘(?)により、学園と家庭はさらなる混沌に叩き落とされる!一方で、ユウキと仲の良い中二病仲間にしか見えない魔王ちゃんの登場は、ユウキを巡る恋模様(?)にも影響を及ぼし始め…?そして迎える聖騎士と魔王の最終決戦!舞台は―体育祭の棒倒し!!

異世界から現代日本に転移した本物の聖騎士が“中二病”のレッテルを貼られて巻き起こすドタバタ学園ラブコメとしてデビューした1巻の頃の勢いが完全に失速した。せっかくの見どころのある土台がああったのに、2巻でここまでメリハリのない展開で来られると本当に残念に思う。
新キャラに魔王を名乗る少女を用意して、“異世界転移組”に助っ人を登場させることで現代日本にファンタジー色を付け、なおかつ“二人目の中二病患者”を爆誕させるあたりまでは良かった。それなのに、何故新キャラクターにスポットを当てない! もっと、何かストーリー全体を通して新キャラクターを出したことに対してエピソードの比重を他キャラクターに比べて重くするとかあっただろうに。結局はその他大勢に埋没して全体的に影が薄い。
2巻のなかでところどころ“聖騎士(笑)”を活かしたリアルにぶっ飛んだ言動が目立つ主人公らしい展開がコミカルでツボる部分もあったけれど、読後感は物足りなさが上回ってました。

おそらく2巻で完結だとは思うけれど、心の底から残念に思いました。

学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇

学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇 (GA文庫)

《あらすじ》
七千人が通い、生徒の自治によって運営される白楊中央学園には華々しい実績の裏に、ある掟が存在した。それは「校則を破らない」こと。一見当然のこのルールは学園の特殊性から、法律のような実効力を持っている。そんな学園において唯一、法条真誠という男だけが法外な報酬と引き換えに、校則すらもねじ曲げて依頼人の問題を解決していた。とある事情で法条に借金をしてしまった少女、花咲華織は彼の助手を務めるうちに、法条の真意と学園の不自然な構造に気づいていく。ひねくれ者だが有能な主人公と、猪突猛進なヒロインによる、驚愕の学園逆転劇、ここにスタート!

発売当初は著者が印税を全額つぎ込んで宣伝に回したと話題にあがったと記憶しているが、それだけの自信をもって世に送り出したにしては毎月数多く刊行されている新シリーズの有象無象に埋もれてしまうくらいに物足りない内容でした。

学園内で巻き起こるトラブルの解決にいそしむ法条真誠と助手の花咲華織の二人の活躍する光景は、七千人の生徒が集まるマンモス学園の規模をフルに活かしたスケールのデカい展開で読者をワクワクさせてくれるし、学園を統治する上位組織の権力の強さとラスボス感が漂う雰囲気が、“法条真誠”という存在がいかに規格外な存在であるかを際立たせている。
ある種の学園ミステリー風の作品としてとらえれば、それなりに楽しめる作品ではあるけれど、事前にあれだけプッシュしておいての内容だと思うと、物足りなさを感じる部分がある。

物理的に孤立している俺の高校生活2

物理的に孤立している俺の高校生活2 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
俺、波久礼業平にはマジで友達がいない―こともない。自慢じゃないけどつい最近友達ができた。でも、ドレイン能力は健在で、相変わらずクラスというか学校規模で物理的に孤立している。悲しい。そんな夏休み目前の時期に転校生・汐ノ宮嵐蘭がやってくる。さっそく高鷲が『友達候補』として狙いを定めるんだけど、やっぱり彼女も残念な異能力者らしい…。しかも夏休み中に犬猿の仲で幼馴染のエリアスと仲直りしろだって!?どうなるんだ俺の夏休み!!残念系異能力者たちだって夏休みを満喫する(?)青春未満ラブコメ第2弾!

異能力ボッチ×青春未満ラブコメとするには、波久礼業平の周囲の女子のルックス(個人的に好みの神イラストレーターのおかげもあって)も性格も個性派ぞろいで、100%青春ラブコメを満喫していると思います!
日常シーンをとっても展開にメリハリが効いていて、各人の『異能力』を使うことになる場面が様々なシチュエーションを通して登場するので学校生活のワンシーンをとっても応用の幅が広く、楽しみがいのある異能力学園もの作品です。

主人公である波久礼業平のもつ対人向けで他の追随を寄せ付けない攻撃力のある異能力もあれば、えんじゅのもつ“心オープン”のような実用性が皆無なものもあります。そんなしょうもない異能力でも、ごく平凡な学生たちの青春で存在する分にはネタとして活躍するに十分なポテンシャルを秘めている。
今回から登場する新キャラクターもなかなかに個性的な異能力を所持していて実用性がほぼ皆無ではあるけれど、主人公たちのコミュニティを通じて親睦を深めていくなかで、なかなかに斬新な活躍ぶりを見せていて面白かったです。ほんと、一言でバッサリ切り捨てるなら『くだらない異能力』ではあるけれど、このしょうもない異能力がごく平凡な高校生にも発言するのを見ていると、いかにこの作品の世界が異能力バトルのような殺伐とした世界とかけ離れているかがわかる。

近ごろでは、この手の異能力学園ものは比較的に少ない部類であると思うので、まだ読んでいない人には是非おすすめしたい作品です。
自分の個人的に好みのイラストレーターの担当作品でもあり、『キラプリおじさん(電撃文庫)』『美少女作家と目指すミリオンセラー』も担当されているあの人なのです!
書店で見かけたら是非手に取ってみてください

ラノベのプロ! 2 初週実売1100部の打ち切り作家

ラノベのプロ! 2 初週実売1100部の打ち切り作家 (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「俺と、結婚してくれ」アシスタントで幼馴染みの結麻に、長年の秘めたる想いを告白した神陽太。もう二度とただの幼馴染み同士には戻れない。陽太の踏み出した一歩は二人の関係を決定的に変えていく―変わり始めた関係の気恥ずかしさに悶える陽太だが…一方で“業界の不条理さ”から後輩・小太郎を救う特訓を始めて!?残業代なしで多忙を極める、ラノベ作家青春ラブコメ!

美少女の幼なじみと青春ラブコメしてイチャイチャして扇情的でこのあと滅茶苦茶※※※しそうな描写があるくせに、ストイックにラノベ作家業に励んでいる姿とラノベ業界にあまねく光と闇を濃縮して血反吐を吐きそうになるストレスフルな展開を仕込んできて、激しく感情が揺さぶられる。読後感としては青春ラブコメラノベ業界の比率が5:5の割合ではあるけれど、ひとつひとつのエピソードがもつ強い物語性が主張し過ぎて、その後のキャラクター間の関係図にまで影響する始末。

記憶に刻み込まれる展開をこれでもかと披露しつつ、物語としてクライマックスを迎えるころには劇的な変化を遂げている。今回の物語の中心人物である小太郎の身に起きた悲劇が、ひとりのライトノベルファンとしてもあまりにも酷すぎて感情移入してしまうだけに、『ラノベのプロ』という作品に深くのめりこんで楽しむことができました。