働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

物理的に孤立している俺の高校生活 (5)

物理的に孤立している俺の高校生活 (5) (ガガガ文庫)

《あらすじ》
俺、波久礼業平にも友達がいたりする。まあ厄介な異能力が相変わらず足を引っ張っているけど…。ついに迎えた修学旅行当日。高鷲から与えられた、修学旅行を満喫するためのミッションをこなす一方、たびたび思い出すのは愛河の爆弾発言のこと。「二人で、京都を回りませんか?」期待するなというほうが無理な心理状況のなか、なにやら周りのみんなも新たな一歩を踏み出しはじめていて―。人生最後の修学旅行、俺たちはいったいどうなってしまうんだろう?恋に友情に、悩める残念系異能力者たちの青春未満ラブコメ第5弾!

ぼっち系主人公には異性から「二人で、京都を回りませんか?」なんて言われたら期待しちゃいますよねー。波久礼業平のコミュ障童貞臭がプンプンするドキドキの修学旅行回でした。
菖蒲池愛河が修学旅行の最終日にわざわざ業平を誘う。高校生の修学旅行という一生に一度の時間をわざわざ費やしてまで誘ったことから、事の重大性は十分に伺えますが……。真意は謎のまま幕を閉じたので非常に気になるところですが、状況証拠から愛河は告白しちゃいますかね。
修学旅行ならではの仲の良いメンバーの集団行動もあり、毒舌JK高鷲えんじゅと業平の掛け合いを増やして二人の息がピッタリの関係をあえて強く演出されていた気もします。周りのキャラクターの意見も併せて見ると、二人の毒舌の応酬は悪戯心と多少の悪意しかなくて素直に面白かったです。
アリエスの業平に対する感情の行く先は二面性が激しくて掴みどころが全くなかったです。業平がアリエスの女心をわからずに地雷を踏んで激高させているところから察するに、少なからず好意を抱いているとは思うのだけどわからないですね。

それはそうと、修学旅行といえば同性同士の恋バナが定番だそうです。そんな定番はリアルに聞いたことがないので統計調査で真偽を確かめてみたいところではありますが……。
地味に業平の周囲の女性の人気はべらぼうに高いんですよ。てっきり同学年の男子生徒から尋問されるのかと思ったけれど、業平のパーソナルな情報は『アリエスと幼馴染み』くらいしかないのか、えんじゅや愛河に関する話題は一切見かけなかった。彼のボッチ度があえて話題にあがらない事実からうかがえました。

6巻では修学旅行を機に新たな一歩を踏み出したキャラクターによりさらなる波乱の展開が待ち受けているみたいで新刊が楽しみです。
自分の好きなヒロインランキングは愛河≧アリエスえんじゅです!

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

《あらすじ》
遠藤正樹は嘘がわかる特異体質で、川端小百合は決して嘘をつかない少女だった。そして学校のアイドル佐倉成美は、常に嘘をふりまく少女だった。ある日、川端と佐倉の共通の友人が亡くなってしまう。自殺という噂だったが川端は「彼女は殺された」と言い、佐倉も「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく。真相を知りたいと川端に頼まれた正樹は、その力で誰も知らない佐倉の心の内を知ってしまい―。願いと嘘と恋が交錯するトライアングルストーリー。

優しい嘘、人を幸せにする嘘、他人を貶める嘘。
嘘がわかる特異体質により家族との会話もメールでのやり取りで済ませる遠藤正樹が、決して嘘をつかない少女・川端小百合との出会いをきっかけに親しくなり徐々に体質に向き合うことになる。一見して、『嘘がわかる特異体質』は万能にも思えるが、川端と佐倉の共通の友人が亡くなった真相を暴くために自らの体質を行使していくなかで、人間の感情の複雑さは『嘘がわかる』というだけで正確に読み解くことができないことがよくわかりました。一連の騒動で渦中の人物となった佐倉においては、友人を自殺に追い込んだ真相を唯一把握している人物であり、序盤から遠藤が積極的にコンタクトをとっていたが真相にたどり着くのに時間を要したことからも伺えます。

この作品は、まだ成人に満たない少年少女たちの複雑な生い立ちと自殺した生徒の真相を描いた青春物語でもあり学園ミステリーでもある作品です。
読み始めたときのイメージは遠藤正樹と川端小百合の相性がピッタリ過ぎて、良好な関係を築きつつあったので二人の恋愛模様に軸を置くのかと思いましたが、どちらかといえば学園ミステリーに比重が置かれていて恋愛要素は薄味でした。むしろ、嘘をふりまく学校のアイドル・佐倉成美との距離が縮まるにつれて彼女の思いのたけが打ち明けられ感傷的な気分にさせられました。佐倉成美も含め、丁寧にキャラクターの心理描写がされているため、より一層、嘘と想いが交錯する物語に深みが生まれて素晴らしい作品だと思いました。

著者である三田千恵さんはデビュー作の『リンドウにさよならを』をはじめとても素晴らしい作品を生み出していましたが、今回も大変に読み応えがあり充実した読書を楽しむことができました。これから先新作が出たときは迷わず作家買いをしていきたいと思います。

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

このライトノベルがすごい 2019

今年も協力者として投票してきました。

いつもどおり新作を中心に頑張って選びました。

一応、全作品レーベルにだぶりはなかったです。

せめて10作品は選べる権利があればこんなに悩まないんですけどね。

questant.jp
まだ投票していない人はお急ぎください。9月24日(日)23:59 が締め切りです。

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
リオランド王国の若き天才騎士・ミカドが戦場で出会ったのは、“科学”の異世界の姫・エチカ。監視役となったミカドとエチカは互いの信念に惹かれ合うが、リオランド皇女・“予言姫”リューリリリィにより、“科学”世界の王国侵攻が示され!?「オレはこの国とリューリ姫をお護りする。手を貸してくれ」「私はこの戦いを止めて故郷に帰りたい。お願い、手伝って」リューリへの忠誠、エチカとの約束のため、ミカドは戦場でその真価を示す。その先には別れがあることを―そしてリューリリリィの紡ぐ予言が、大陸を禍乱へ導くことを知りながら。魂を震わす運命と叛逆のヒロイックファンタジー、開宴!

リオランド王国 VS地球軍。儀法と爵獣を有するリオランドと未来の科学技術で武装する地球軍の熾烈を極めた戦い。独自の世界観を作り上げる作者の技量もとにかく素晴らしく、両陣営が長年育んできて技術の粋を尽くした戦闘技法がしっかりと築き上げられていて、科学と儀法が交錯する白熱したバトルが臨場感にあふれていて最高に面白かったです。これでまだ、本格的に両陣営の宣戦布告はなされておらず、前哨戦でしかない事実に驚愕。物語の世界観をより固めるに大きく関わる異世界の繁栄と衰退の歴史も丁寧に文章量を割いて表現されており、物語の展開スピードとしてはやや遅めではあるけれど、1巻を壮大なプロローグとして認識を改めれば必要不可欠な内容だと思いました。おかげて、両陣営のこれまでの歴史と現在陥っている状況などが明確にイメージできる。

純粋な面白さについてはひとまずわきに置き、異世界の姫・エチカとリオランド皇女・リューリリリイ姫に関しては、エチカが現状に至るまでの経緯は詳細に描かれていましたが、リューリリリイ姫に関してはまだ謎が多いです。物語冒頭でのミカドとリューリリリイ姫の逢瀬を見るに深い因縁があるのだろうけど、追々明かされるのでしょうか?
概ね察しは尽きますが素直にどんなエピソードがあるのか楽しみです。

この作品は個人的には超大作の予感がします。今後の展開がスローペースで進行していくのか、リオランド王国 VS 地球軍の戦いに急展開が生じて早期決着がつくのかはわかりません。ただ一つ言えるのは、前作の打ち切りを悲しむ声を多数耳にしたので、是非ともこの作品においては最後まで走り切ってもらいたいです。
第2巻は11月1日に発売。みなさん、是非とも手に取ってみてください。超おすすめします。

公園で高校生達が遊ぶだけ

公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
瀬川エリカと俺、吾妻千里は小学校3年生からの幼馴染みだ。小学校でも中学でも、そして高校でも、瀬川と俺は、公園で遊ぶ。ダベったり、野球をしたり、走り回ったり、ちょっと喧嘩したり。「とりあえず吾妻の中で、わたしを可愛さピラミッドの頂点に設定するといいよ。そうすればわたしを通して“可愛い”がわかる」「瀬川を可愛さピラミッドの頂点に設定すると、具体的にどうなるんだ?」「わたしに似てれば似てるものほど、吾妻は可愛いと認識しだすよ」「じゃあ、電卓とかも可愛く見えんのかな」「ちょっと待って。吾妻の中でわたし、電卓なわけ?」そして今日も公園で、高校生の何気ない日常が紡ぎ出される―。

公園で高校生たちが遊ぶだけ……、タイトルそのまんまでした!!
そうそう、小中高と学校に通って、放課後になると部活に励むもよし友達と一緒に遊びに行くもよし。社会人になると同年代の知り合いと予定を合わせるのに相手の都合を考える必要があるけど、子供の頃は「これから遊びに行こうぜ!!」みたいなノリで、いろいろなことができたなとしみじみ思いました。
公園で高校生たちが遊ぶだけという作品が妙に好みに刺さったのも、主人公の吾妻千里が公園でだべったり野球をしたりする光景が懐かしい記憶を呼び起こしてくれたのが原因かもしれないです。もっとも、瀬川エリカのような幼馴染みの女の子は自分にはいませんでしたけど……。統計的にみて幼馴染みで仲のいい女の子がいる男子高校生の確率ってどれくらいなんでしょうか?

作品の話に戻ります。
登場人物たちはわりと多めで学園コメディ風。各話ごとにキレよくオチがつけられているため、読み切ったときの読後感はとてもスッキリしたものです。それでいて、何気ない高校生たちの日常に少々ミステリアスな出来事を織り交ぜて読み手にも考えさせるような謎の解明に勤しませたり、ごくありふれた恋愛感情の行く末を描いた青春チックな内容となったり。とてもジャンルの幅の広い作品だと思いますけど、突き詰めていけばコメディ路線が最も近い印象です。

銀色の月は夜を歌う

銀色の月は夜を歌う (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
音楽性の違いによるメンバー脱退のため、あっさりと廃部になってしまった軽音部。その最後のメンバーだった朝比奈悠は、駅前でストリートライブをしていたところ、かぐやと名乗る少女に突然ライブのサポートを頼まれる。そのステージ上で圧倒的なパフォーマンスを見せたかぐやに惚れ込んだ悠は、翌日ふたたび出会った彼女にバンドの結成を申し出るが、断られてしまう。失意の悠にかぐやが明かした真実は―彼女の正体は、生徒会副会長の真面目な少女、宮古真尋の別人格ということだった。かぐやのことを諦めきれない悠は、彼女の心の壁をなんとか越えようとするが…!?月のような少女とまっすぐな少年が紡ぐ、爽やかな青春バンドストーリー!

宮古麻尋が別人格の“かぐや”を生み出すに至った過去とは……。やがてひとつの人格に統合され消滅する“かぐや”を巻き込み、刹那的なバンドを結成して青春をささげる物語。音楽に全力で取り組む少年少女の熱意が音色になって響き渡り、聴衆たちを魅了して歓喜にあふれたときのステージの光景にはとても感動しました。

兎にも角にも、副人格が外的要因によるストレスからの自己防衛機能でしかないので、二重人格を軸にした物語の終着点はやがて消滅する運命というのは概ね決定事項であることだと思います。かぐやの人格が現れるのは日没の時間帯のみ。限られた時間しか共有できない人格ではあるけれど、主人公の朝比奈悠が彼女の期待に応え、バンドを結成するにまで口説き落とし、創作活動という名のデートに出かけたり、本当に様々なことがありました。かぐやという本来存在しえないキャラクターへの感情移入が深く強くなるほど、これまでどおり音楽を楽しく演奏する日々を過ごしてもらいたいと思わされます。

それと自分の年代的に、文化祭・学園祭を目標にして何かに励む若者の姿がひたすらに眩しくて、さらに男女が惹かれあい感動的な青春を送る光景は狂おしいほど心にグサッと刺さります。
何故、自分はもっと部活に励まなかったのか。こんなに青春を謳歌できる環境が学校に備わっているのであれば、全力で取り組むべきでした。今、この感想記事を書きながらメッチャ反省してます。

銀色の月は夜を歌う (講談社ラノベ文庫)

銀色の月は夜を歌う (講談社ラノベ文庫)

キミの忘れかたを教えて

キミの忘れかたを教えて (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
「残された余命は半年―、俺はこのまま死ぬつもりだった」大学を中退してニートとなり、生きる価値がないと感じていた松本修は、昔からの悪友・トミさんの誘いで母校の中学校を訪れる。そこには芸能人となってしまった因縁の幼馴染み・桐山鞘音がいて…。この出会いが再び修の運命を突き動かす。『天才ゆえの孤独を抱えたヒロイン、凡才ゆえに苦悩する主人公。二人のすれ違いと、遠回りな青春に引き込まれました』『逃げて逃げて、逃げ続けたクズに残った一つの約束。胸が熱くなりました』発売前から感動の声多数。掴めなかったチャンス、一度何かを諦めてしまった人に贈る、大人の青春物語。

仲の良かった幼馴染み。天才的な音楽の才能をもつ桐山鞘音の側で、追いつくためにもがき苦しみ絶望していく繊細な心理が切々と描かれている青春物語。
二人がすれ違い始めたきっかけ、鞘音の人気が徐々に広まるなかで共に活動する主人公に他人から向けられた何気ない一言。そして、幼かった二人の関係を決定的に引き裂く出来事。
実家も近所で親同士の仲も良く、田舎ゆえに近所の人はみんな顔見知りにほど近いため、主人公と鞘音のことをよく知る住人は数多くいます。昔からの悪友であるトミさんの目線からは、二人を交えて自転車を乗り回して遠出をした思い出を語られ、母校の先生からは無邪気に音楽を楽しんでいた頃の姿を思い起こされ、田舎特有の狭いコミュニティゆえに幅広い年齢層から親しまれている情景に温かみがありました。
天才ゆえに孤立した桐山鞘音と凡才ゆえに苦悩する主人公の心境の変化と、二人のすれ違う原因と真正面からぶつかり合い幼き頃のような関係を取り戻すというシーンも胸が熱くなるようなシチュエーションでドラマチックな展開が満載で素晴らしかったですが、それ以上に二人の両親、悪友のトミさんとその家族、母校の先生の存在が何よりも大きい。ここまで無償の愛を注いでくれる田舎の温かみが、やさしさにあふれていて感動しました。

再会を果たした二人の関係が青春を取り戻していく光景を、主人公に因縁を抱えてツンデレ気味な幼馴染みが徐々にほだされていく変わりようと合わせてお楽しみください。

キミの忘れかたを教えて (角川スニーカー文庫)

キミの忘れかたを教えて (角川スニーカー文庫)