働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

新米社長のパーフェクトゲーム切り札の使い方

新米社長のパーフェクトゲーム切り札の使い方 (HJ文庫)
すべての切り札を揃え、いざ戦争の完全勝利へ!
精霊力の利用を可能とし、国家繁栄を約束する七色の液体《リキッド》。
その市場を独占する三つの超巨大企業の一角や、民間軍事会社にも所属していた過去を持つ青年アレックスは、妹のイブと共にリキッドを扱う新会社を立ち上げ、腐敗した三大企業の打倒を宣言する!
頭脳、人脈、資金、武力――すべての手札を揃えた新米社長の痛快エンタテイメント!!





『リキッド』という物資をめぐる新米社長“アレックス”と巨大企業の戦いを描いた、あらすじどおりの痛快エンタテイメントでした。
国家の繁栄にはなくてはならない『リキッド』を取り扱う巨大企業はもはや国の奥深くにまで根付いており、『リキッド』の産出から販売までを一挙に担う企業をたちあげても、巨大企業の力によって簡単にねじ伏せられる世界。
そんな状況に不満をもった“アレックス”がこれまでの人生で築き上げた人人脈をフルに活用して巨大企業に立ち向かい、相手の先手を読みきり罠を張り巡らせる姿はとても痛快でした。窮地に陥ることなく、気持ちのいいくらい容赦なく叩きのめしていましたね。
ただ残念はこれらの巨大企業をあらわす通称に使われている『トリプルキングダム』がどうにもダサいというか。もう少し別な呼び方にしてほしかったかなと。
それでも、物語の根幹にある『リキッド』は化石燃料を念頭におけば租借しやすい内容でしたし、不純物が混ざっていて商売にならないと忌み嫌われている『エビルリキッド』へのアプローチも「あーなるひど」とうなずきたくなる独自理論で面白かったです。