働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

少年給魔師と恋する乙女

少年給魔師と恋する乙女 (GA文庫)
「アンタの給魔はいやらしいの!」
四神獣家は、白虎の一族にして、風の精霊を行使する白峰ユイと、「給魔師は戦場に不要です!」
同じく、朱雀の一族にして、火の精霊を行使する鳳凰院レイナ。
二人の少女は、妖魔を祓うという使命を背負った少年・武藤一織にとって、自分に仕える巫女であり幼馴染でもアル大切な存在だ。
だが、一織の『給魔』により『獣化』しなければ妖魔と戦えない少女たちの関係は芳しくない。頑なに一織を拒絶するのだ。戦う力を持たない一織は少女たちを案じ、懸命に仲良くなろうと働きかけるのだが……。
少年と少女たちの絆が世界を救う!! 第6回GA文庫大賞優秀賞受賞作。






四神『白虎、朱雀、青竜、玄武』を題材にした物語でした。一織の『給魔』の行為をしなければ敵と戦うことができない『巫女』であるヒロインのレイナとユイ。他意はないのに行為そのものがセクハラギリギリであるがゆえ派生するラキスケ展開は考えるまでも無く予知が可能でした。「あっ、この流れは……ですよねー」といった感覚です。個人的な好みをいえばむしろカンピオーネのレベルまでエロさを引き上げて、清清しいほどに極振りをしてほしかったですね。
まあそんな感じに、ソフトなエロさを交えて主人公の“武藤一織”と二人の少女“鳳凰院レイナ”と“白峰ユイ”の妖魔との戦いを書いたストーリーだったわけですが、“レイナ”と“一織”、“ユイ”と“一織”のパートになったときのヒロインがとにかく可愛かった。“一織”以外に学園に通う生徒は全員女子という状況も、最近のラノベで見飽きた要素の一つでしたが、その事実に違和感を感じさせない“一織”の見せ方がよかったです。天然ジゴロここにきわまれりな感じに、母性本能をくすぐる容姿に周囲の生徒も教師もみな一同におちていく姿は面白かったです。
キャラクターに関して感じた僕のイメージは一通りこんな感じですかね。ヘタレ主人公かと思ったらいざというときはきっちり決めてくる主人公というのもかっこよかったです。あとは妖魔との戦闘描写に関してもうひとつインパクトがほしかったかな。読み終わったあとにこうして文章に書き連ねながら「で、あの戦闘シーンはどうなったんだっけ……」と若干ぼやけてきて……。
これは僕の脳内ハードディスクの記憶能力が脆弱なのか、それとも流し読みしてしまった部分なのか。
まとめると、登場キャラクターはものすっごい魅力的な一冊でしたね。普通に面白いGA文庫新人賞作品です。