働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 2

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)
より多くの実戦経験を積むため、北域へと遠征することになる帝国騎士イクタたち。
目指すは、カトヴァーナ帝国九百年の歴史において、一度も外敵の侵入を許したことのない大アラファトラ山脈に
守られた軍事拠点、北域鎮台。野盗の相手と山岳民族「シナーク族」の監視以外は総じて暇な部署だと噂される、
帝国最北の基地だった。





ここで登場する『帝国騎士』の称号は“シャミーユ姫”を救った功績から贈呈されました。もともと“イクタ”自身は軍人としての人生を歩むことに抵抗があったわけでなので、『帝国騎士』の称号を国王から与えられて強制的に『軍人』として扱われることにイラついている様子(余談)

2巻で“イクタ”たちは帝国の北域鎮台第一基地に実戦経験を積ませるために派遣されます。今回のメインはこの地で巻き起こった戦争と血なまぐさい描写の数々。『帝国騎士』の面々の地位はあくまでも准尉であり、階級が勝る人間の命令には従わなくてはならない。たとえそれが理不尽で愚作だとわかっていても面と向かってさからうことはできません。
卓越した頭脳をもつ“イクタ”の活躍を見せつつ、こういった戦争と軍隊の生々しい部分が見られるのもアルデラミンの癖になるところ。

戦争に付き物である出会った人間の死、無抵抗な人間の虐殺など本当に血なまぐさい展開が多いですね。無能な指揮官がとる采配に意を唱えたくても准尉の立場では考慮にも値せずに切り捨てられる。たまにある講義的な演目で持論について語る際に見せる周囲を魅了する弁舌。いやー、本当に読んでいて引き込まれました。