働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉 (ファミ通文庫)
革命とその後の混乱を経て、平和を取り戻したフロリア。その王都パリゼの隅で、劇作家のオーギュストは小さな菓子屋を見つける。そこは魅惑の菓子で溢れていたが、無愛想な銀髪の店主は何やら怪しげで、すわ革命派の残党か、或いは盗賊かと疑うオーギュストだったが…!?“将軍の銀の猟犬”と呼ばれ名を馳せた動乱の英雄が、女王の菓子職人として大活躍!後に“菓聖”と呼ばれることになる青年の伝説を描く、ヒストリカル・ファンタジーが上下巻で登場!!






小さなお菓子屋の無愛想な店主と一人の女王の物語。お菓子職人のアルジャンが作っているお菓子を食べて笑顔になる人々を見てると、読んでるこっちまで食べたくなってくるくらい心温まるストーリー。小さなお菓子屋の店主を勤めるアルジャンのもとに、劇作家のオーギュストが加わるたびに新しい人々との出会いが生まれ、その流れでどんどんアルジャンのお菓子に魅了される人が増えていきます。野村美月作品は何を読んでも面白いです。キャラクターの書き方がとにかく上手くて、口数が少なく無愛想なアルジャンの態度を周囲の人間が茶化してるところが、アルジャンの魅力を引き上げている感じでした。セリフから漂ってくるアルジャンの印象も一変しますね。彼が過去に軍隊に所属していて、女王マリー・ロクサーヌとの出会いを描いた回想シーンも、最後まで目が離せない内容で面白かったです。