働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

この恋と、その未来。 -一年目 夏秋-

この恋と、その未来。 -一年目 夏秋- (ファミ通文庫)
夏休みを迎えた四郎と未来は、和田、三好の四人で泊まりがけの旅行へ向かう。島での解放感の中、未来に三好との仲を煽られ何とも言えない微妙な気分に陥る四郎。未来に対しての決して明かすことのできない好意を秘めたまま二学期に突入した彼は、三好とともに文化祭委員を引き受けることに。穏やかな彼女に心地良さを感じながらも未来への恋心を払拭できない四郎だが、クラスが団結し賑わう文化祭に、未来の心を奪う人物が現れて…。話題作、第二幕。






想いを告げることのできない四郎の青春ストーリーは読めば読むほどつらくなってくる。未来の体が女性であると認識しているがゆえに抱える恋心は、未来の男として生きたいという希望と決して交わることがないのがとにかくせつないです。
四郎が本当に想っているのは未来。そのことを知るよしもない未来は、同じクラスの女子である三好と四郎のなかを積極的に取り持とうとする。四郎と三好の仲が徐々に深まりつつあり、四郎は未来に対する叶わない恋心を忘れようとする。
そんな日常が進むなか四郎の学校で開かれる文化祭に訪れた一人の女性に、未来が恋をする。叶わない恋心なら、せめて誰のものにもならないでほしいと願う四郎の心境が切なすぎます。