働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ファーレンハイト9999

ファーレンハイト9999 (ダッシュエックス文庫)
第13回SD小説新人賞大賞受賞作!
オタクが“合法的な差別対象"となった現代日本で、警視庁に新設された『焚書課』でオタクを取り締まる
高校生捜査官・維刀臥人は、中学生の先輩・奏手イリナとともに違反者を検挙し続けていた。
が、隠れオタクである臥人はその裏で焚書課を裏切っていた。ある日レディ・パルムと名乗る
女性から反政府組織の無差別テロの阻止を依頼されるのだが…。
最強の高校生捜査官が躍動するスタイリッシュガンアクション! !






オタク=犯罪者の認識が根付いているなかでのオタクに対する扱いがあまりにも酷すぎて、理不尽で容赦のないオタクコンテンツの取締りをみているとオタク側の考えに共感を持てる部分が出てきて思わず見入ってしまう内容でした。しかも作中でとりあげられているオタクに関する情報も、現実にテレビで報道された内容とリンクしている部分もあるので余計に訴求力のある作品に思えてくる。オタクを嫌悪しているイリナの態度をベースに考えると、どれだけオタクが世間で酷い扱いを受けているのかが伺えて、彼女の狂ったような取り締まりの刺激がとにかく強かったです。イリナがなぜこれほどまでの態度をとるのかについても語られていて、考えさせられるものがありました。
そんな彼女とともに『焚書課』で勤め日々オタクの取締る表の顔と、理不尽な扱いを受けるオタクを救うヒーローとしての裏の顔をもつ主人公の維刀臥人による現代風スタイリッシュガンアクション。かなり真面目そうな内容だけどギャグとラブコメと細かい伏線があって印象深い1冊でした。