働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ジンクスゲーム

【Amazon.co.jp限定】ジンクスゲーム 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)
「罪の果実『毒りんご』を抹殺せよ」無貌の男・ロストマンの一言から、そのデスゲームは始まった。男が集めたのは五人の男女。その共通点は―ジンクス。五人は互いに異なる条件で発動し、命を問答無用で奪い取る、見えない凶器を持つ殺人鬼たちだった。そのひとり、『バジリスク』の力を持つ少年・蒼馬は最愛の妹を救うため、再会した自称名探偵の少女・鈴蘭を騙し、いち早く『毒りんご』を見つけようと意気込むが…。「毒りんごが誰であろうと関係ない。正体を突きとめ、殺してやる!」果たして毒りんごの正体は!?GA文庫大賞“優秀賞”受賞の、悪謀渦巻く青春サイコスリラー!






デスゲームの参加者たちが各々の所有する殺戮の異能力『ジンクス』をもって毒りんごを誰が先に殺すのかを競い、毒りんごを殺したものは死者を蘇らせる権利を獲得するというのがこのデスゲームの内容。主人公が『死者を蘇らせる権利』の獲得に挑むのは、事故にあった妹が意識不明の植物状態であるために救い出したいという願いのため。しかし妹が事故にあったシーンというのが完全に事後だったので、妹は一言もしゃべることなく意識不明状態。そこからジンクスの力をもつ人間のもつ『ジンクスによって殺した人の数だけ対象を3分間生きながらえることができる』力を行使するため、事故現場で瀕死の人間を躊躇なく殺してく。ちょっとこのお兄ちゃんの正気を疑いたくなるような妹愛が重すぎて、ただの殺人鬼にしか見えないので共感できなかったです。
本編のラストで始めて目にする生きた状態での妹の姿も、「い、いもうと……? あんまり可愛くないなぁ……」というのが正直な感想でした。
肝心のデスゲームの部分は主人公の持つ『相手の目を直接3秒間見続ける』が敵には看破されにくい能力であったので、何の脈絡もなく命を奪われる状況に翻弄される敵の姿などを楽しめてよかったです。この発動条件がわかりにくい状況から、相手の意表をついて攻撃を仕掛けて窮地を脱することになる展開も、「あー、異能バトルしてるなー」って感じがする。とくに印象深かったのは、清涼院ルミカとの対決シーンですかね。あれなんかもう僕の理想とする異能バトルの展開ですよ。
次回への繋ぎもがっつりしていたので2巻の発売は確定っぽいですし、妹がどんな運命を辿る事になるのか気になる。