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働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

LOST -風のうたがきこえる- 上

LOST -風のうたがきこえる- 上 (ファミ通文庫)
幼馴染みでバンド仲間の橘奈緒が死んだ。ミュージシャンになるため東京に上京しようとした日だった。失意の日々を過ごす大槻慶太郎だったが、形見として譲りうけた奈緒の携帯に電話がかかってきて…相手は死んだはずの奈緒!?しかも電話の向こうの彼女は東京で音楽活動をしていると言う。思わぬ再会に慶太郎は決意する。「奈緒の歌を皆に聴いて貰いたい」と―。ミライショウセツ大賞優秀賞。失われた恋と歌の奇跡の物語、ついに書籍化!





あらすじの部分で幼馴染の橘奈緒が死ぬ事実を告知したのは、良くも悪くもストーリーを楽しむうえでじわりじわりと作用してくる。話の構成が主人公の大槻慶太郎が高校3年間とその後の人生で送った、奈緒との壮大な回想。1巻にして慶太郎の高校3年間の出来事と大学入学を果たすまでがダイジェストのように進んでいきます。高校生の目玉イベントといえる文化祭や奈緒と路上演奏を楽しんでいた時のエピソードが語られるなかで、「あー、こんな天真爛漫で音楽活動を夢見ている幼馴染が死ぬことになるのかー」と思いながら読まされるほうとしてはとんでもない絶望感に見舞われる。
ダイジェストな感じで話が進んでいくだけあって、奈緒が音楽を夢見るに至る経緯やバンド活動のターニングポイントも濃縮されているので、特に奈緒の音楽にかける情熱が伝わってきます。

やがて、奈緒の母親から受け取った奈緒の解約済み携帯電話。そこにかかってきた電話の相手は死んだはずの奈緒本人。生前の奈緒の音楽の才能を理解している慶太郎による、『奈緒の音楽を多くの人に聴いてもらいたい』という考えをもとに始めた新たな音楽活動。奈緒と会話ができるのは彼女からかかってくる一方的な電話のみで慶太郎自身からはかけることはできない。いつ途切れることになるかわからない奈緒との連絡手段。
あとがき曰く『投稿策とは違う別エンディングバージョン 読後感がかなりよくなっている』ということなので、下巻のほうも楽しみにしてます。