働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ひとつ海のパラスアテナ 2

ひとつ海のパラスアテナ (2) (電撃文庫)
「大丈夫。助けはきっと来るよ」
見渡す限りの水平線(ホライゾン)。浮き輪もなしで波間に漂う少女・アキと、もう一人。疲労は、限界だった。『溺死』という不吉な二文字が、脳裏をよぎる。
「……来ないと、思います」
波間にぽつんとたゆたう二人。海と空。二色の青しか存在しない現代(アフター)で、漂流者を助ける者は漂流者自身しかいない。
「大丈夫。絶対助かるよ」
「助かりません」
二人の周囲には、海面から太いケーブルが脱出を遮るように突き出し、漏電によって稲妻のように輝いていた。ケーブルの上には、獲物の命が尽きるのを待つ猛禽の眼もあった。少女が悟ったように、微笑みながら言った。
「助けは『絶対に』来ないんです。ここは……セントゥリア海峡ですから」
絶望的な状況の中で――二人の「生きるための戦い」が、始まる。





大海原にポツンと浮かぶ孤島。助けが来る可能性が皆無の状況でのサバイバル生活……前回も似たような経緯を辿っていたような気がするぞ?
アキ君は世渡りが下手すぎて、すぐに災難に巻き込まれる体質のようですね。誰もが明日を生きるために必死になっている中、親切心と純粋な心をもつアキの行動は傍目にみて不安に映るよ。
悪い大人たちにホイホイ騙されて無一文。さらには命よりも大事な『パラスアテナ号』を失う。無情なまでに負の連鎖が続く中で、果たしてアキは無事に生きていけるのか。
過酷な環境下でのジリ貧生活といい、孤島で手に入るわずかな食料を必死にかき集めて食い扶持を繋ぐ姿にリアリティーがあって引き込まれた。

3巻の発売も既に告知され、2巻のラストは衝撃の展開を迎えることになって、3巻への期待値もさらに高まる。