働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

チート薬師の異世界旅 4

チート薬師の異世界旅 4 (ヒーロー文庫)
魔王との戦いに敗北し、消えた魔王の行方を知るため勇者たちは占い神殿にやってきた。占いを頼まれたカートルーナたちは、魔王が深淵の森に行くことを突き止める。勇者たちは深淵の森にほど近いヘプシミンに向かうことにした。森で平穏な時間を過ごしていた裕次郎たちは賢狸の情報で、ヘプシミンの軍が森を目指していることを知った。裕次郎は、逃げることを提案したが、「生まれ故郷を守りたい」と魔物たちに断られる。裕次郎も森に残って手助けすることに決める。薬を作り、対応策を練り、賢狸に援助を頼む。そして、とうとう軍がその姿を見せる。一万人以上の大軍隊。今ここに、魔王と魔物たちと薬師とハーフVSヘプシミン軍と勇者パーティーの闘いが始まる―。





裕次郎、セリエ、魔王マカベル、モンスターたち VS 勇者パーティー、ヘプシミン軍の大戦闘がとうとう開幕。チート&薬師のスキルをもつ裕次郎を要する陣営が薬の恩恵を受けて戦力の底上げをはかることで気持ちがいいくらい無双をしてくれますね。
ヘプシミン軍を含めて人間の貴族たちがいかに腐敗しきっているかが表現されているので、ヘプシミン軍が無様にやられる姿はむしろスカッとする。
裕次郎が何故モンスターたちに肩入れするかというのも、貴族同士のゴタゴタに巻き込まれ王族殺しの濡れ衣を着せられたため、懸賞金のかかった指名手配犯に仕立て上げられたという経緯があるから。裕次郎自身は、はじめから貴族に関わるとろくなことがないことがわかりきっていたために、必要最低限しか関わらないようにしていた。それでも。チート薬師の成し遂げた偉業の数々が世間に広まることで裕次郎が思っている以上の有名人となる。その結果、今の裕次郎は辺境の地でモンスターたちとの共同生活を送るはめになることに。
チート薬師のスキルによって異常なまでのサバイバル能力を発揮することで、モンスターとの共存をはかることで安定した生活を手にした矢先に起こった今回のヘプシミン軍による闘い。
裕次郎とセリエ、モンスターたちの平和に過ごす日常生活をおびやかすヘプシミン軍&勇者パーティーはどれだけ大義名分を掲げたところでもう悪者にしか映りませんね。人間にとって脅威の象徴であるマカベルも『人を死に追い立てる』という異能の存在が理由で討伐の対象なるが、裕次郎の支えのもとで異能の制御を可能にしたことで平穏に暮らすことも可能になりました。『魔王』というだけで殺されるのは余計に可愛そうに思えてくる。
主人公がどれだけチートであっても親しい人間がアキレス腱になり、緊張感のある場面も多々あって読んでいて飽きない。