働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

最新のゲームは凄すぎだろ 4

最新のゲームは凄すぎだろ 4 (ヒーロー文庫)
イストピアがゲームではなく異世界だと気づいたケイオスは、仲間たちを見捨てることができず、イストピアへ再び足を踏み入れた。そして吸血鬼の陰謀を暴いて人間同士の戦争を回避させ、コミューン連合国の危機を救ったケイオスは英雄として一躍有名になってしまう。ケイオスは戸惑いを覚えていた。しかし有名になった彼を周囲は放っておかない。ヴァイクセル帝国の皇帝が、コミューンの貴族が彼を利用しようと動き出す。ロズリーヌは、ケイオスがこれ以上功績を立てることは危険だと判断し、彼を自分の元から一時的に遠ざけた。ケイオスは身を隠すが、その集落近くに突如として正体不明の巨大なドラゴンが飛来する―。





『異世界』に住む人間たちの強さを『ゲーム』を基準に考えて強くできるシステムの存在、それを知るのがケイオスただ一人という点が面白いですね。

教会で神の加護を受けることで成し得る『転職』というシステム。実行するには①教会の祭壇に特定のアイテムをささげる転職を受ける人間が一定のレベルに到達していなくてはならない、という2つの条件がそろわないと、異世界人が言うところの『神の加護』を受けることはできない。

普通にやっていては「そんなアイテムを祭壇にささげるの?」「平均的な兵士の倍のレベルに到達しないといけない」という点が偶然重なりでもしない限り神の加護を受けることができないが、ゲームの視点を有するケイオスの強みが異世界でいかんなく発揮されます。それはもうバンバンメンバーたちが転職していきます。

神の加護を受けた人間が一騎当千の強さを獲得することは聖女アレクシアの活躍で一目瞭然。その転生を意図的に、しかも何人の人間にも施したとなれば、国の軍事バランスに影響が出てくることになるんじゃないか?
ヴァイクセル帝国の皇帝も、聖女アレクシアの急激な成長とケイオスとの出会いに関連性を見つけて、ケイオスの存在が今後の自国の繁栄に生かせそうだと確信する。

コミューン連合国との一連の騒動にけりをつけるべく、ヴァイクセル帝国の皇帝との外交が執り行われるが、表面上は人の良さそうな人間を装っておきながら心の中ではコミューン連合国を滅ぼすことを企てている。
国のトップが敵対する思考をもつことが今後のストーリーに大きな転機をもたらすことは間違いない。またいつか大きな戦闘が勃発するんじゃないかって気になってくる。
皇帝の動向は『ケイオスとアレクシアの過去を探る段階』にとどまってはいるけれど、これが徐々に進行していったとき、ヴァイクセル帝国の名門貴族に位置するアレクシアの身の振り方をどうするのか。ケイオスと敵対関係になることはアレクシアの恋愛事情を見る限りほぼありえないとは思うけれども、この物語が進んだ先がどう転ぶのかが次第でさらに面白くなるなりそうで楽しみ。