タイトルの通り、7月~8月の間に読んだライトノベルかつ新作&単巻のラノベのラノベを宣伝していきたいと思います。
ただ、新作をメインに扱うとどうしても新人賞関連の作品がメインになるのは致し方ないですね。最近だとシリーズ化前提の作りになっている新人賞作品もよく見るけど、1冊に全てを詰め込んで勢いにのった作品はやっぱり強烈に印象に残るのが新人賞作品を発掘する楽しさでもあります。
既刊が1巻しかないので気が向いたら読んでもらいたい程度の宣伝になりますんでよろしくお願いします。
- 作者: 稲庭淳,こうましろ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/02
- メディア: 文庫
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《あらすじ》
いじめが横行するクラスで日常を送る伊園は傍観者を貫いていた。だが湊里香が転校してきてから、すべては一変する。いじめのターゲットにされても動じない彼女はあるとき伊園を呼び出した。湊にある秘密を知られた伊園は、流されるまま彼女との同棲生活をスタートさせる。彼女の目的は一体何なのかと困惑する伊園に湊はあることを提案する。それはいじめのリーダーカップルに反撃すること。はじめは気乗りしなかった伊園も、次第に湊の意見に賛同するように。いじめのターゲットの原を巻き込み、三人の過激な反乱が始まる。だが、湊が求めていたのは、いじめを止めさせることなどではなかった…。第4回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作。
第4回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作。講談社ラノベ文庫の怪作といっても過言ではない。サイコパスな側面を持つキャラクターしかほとんど登場せず、嫌でもかというくらい強烈に印象に残るキャラクター像が刻み込まれる。いじめる者、いじめられる者、傍観する者。学校が舞台であり、転校生の美少女がある日突然主人公と親しくなり、気が付けば同棲生活を始めたり、ラブコメに発展したりなどなど。ベタな要素を多分に含んではいるがこれまでのラノベの固定概念を覆す驚くような展開の数々の連続であるので読み始めたら止まらなくなるくらい先の展開が気になる。『学校内に蔓延るいじめ』を土台にした作品というのも他に例を見ないので、落としどころがまるで予想がつかない。
- 作者: 持崎湯葉,籠目
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/02
- メディア: 文庫
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《あらすじ》
高校二年生の松尾家之助は、親友で生徒会長の完璧超人一ノ瀬秋、憧れのクラスメイトで書記の月本紗姫とともに生徒会に所属し、平凡ながらも楽しい高校生活を送っていた。そして家之助は紗姫への想いを自覚する。だが、どうやら紗姫は秋のことが好きな様子。どうすべきか悩む家之助だったが、そんなさなかに秋のとんでもない秘密を知ってしまう!その結果、家之助の、紗姫のそして秋の想いは複雑に絡み合って―?
第3回講談社ラノベチャレンジカップ<佳作>受賞作。幼馴染みと同じ生徒会に所属している男女の間で勃発する歪な三角関係学園ラブコメ。
本屋で口絵をチラ見したときにチョイスしたシーンだけで、この学園ラブコメの狂気の一端が伺える。こんな学園ラブコメが成立していいのかと正気を疑いたくなった。
相思相愛になってカップルが誕生すれば残りの一人はお役御免。そんな無慈悲な展開は決して許さずに誰もがハッピーになる展開に突き進んでいった結果、複雑な人間関係が構築された学園ラブコメに発展。青春を色んな意味で謳歌している姿が清々しい学園ラブコメでした。
- 作者: 弥生志郎,高野音彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/08/25
- メディア: 文庫
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《あらすじ》
「わたしは、あなたが好きです」夏祭りの夜、由良統哉は妹に告白され、ファーストキスを奪われた。だが、彼女が誰なのか統哉には分からない。何故なら、彼女の身体には三人の少女の人格が宿っており、『かごめゲーム』の真っ最中だったから…。彼女たちの中で誰が本当の人格なのかは誰にも分からず、普通の女の子に戻る方法は一つだけ。それは、別人格が夢を叶え、この世界から消えること―そして、夏祭りの夜から少女たちはそれぞれの想いを抱く。ある少女は音楽を奏で、ある少女は全力で疾走し、ある少女は恋を綴る。たとえ自分が偽りの人格だったとしても、最後まで自分らしく在るために―現在を駆け抜ける四つの青春群像劇、ここに開幕。
もう久しぶりに心から感動できて思わず泣いてしまいたくなるラノベ!
『シノニム』という架空の多重人格障害(解離性同一性障害)をモチーフにした三人の別人格を宿す一人の少女が、心的外傷を克服して元の人格を取り戻すまでを描いたストーリーなんだけど、別人格という自分の分身を一つの人格に統一していく過程がとにかくせつない。別人格たちも一人の人間としてそれぞれが違った交友関係を育んでいる姿があり、シノニム治療のために自らの人格の消滅をいとわず立ち向かうことを突き付けられたときの友人たちの反応。これまで親しくしていた人間がこれから消滅していき、次にあったときは姿形は同じと言えど中に宿る人格は全く別の人間。それを知りつつも送り出していく友人たちの姿が素晴らしいと思いました。
ここ最近に読んだラノベの中で触れておきたい新作については以上になります。次は9月~10月のラノベを読み終わったときに新作ラノベを紹介していきたいと思います。