働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

緋弾のアリア (21) 秋霜烈日の獅子

緋弾のアリア (21) 秋霜烈日の獅子 (MF文庫J)
東京武偵高校、そこは武力を行使する探偵―通称『武偵』を育成する特殊な学校。強襲科の超エリートでSランクの最強武偵・アリアのパートナーに選ばれてしまった(普段は)ただの一般人・遠山キンジ。苦難の末に星伽神社まで辿り着いたキンジはついに緋緋色金の本体を発見し、衝撃の事実を知る。緋緋神に乗っ取られたアリアを救う事はできないと刃を向ける白雪、それでも不可能を可能にしようと戦うキンジ。世界の平和を賭けた激闘、明らかになる色金たちの真実、そして「緋弾のアリア」の行く末に待つものは…!?大スケールアクション&ラブコメディー第21弾!




大スケールアクションラブコメディーの長編シリーズを通して数々の超人・偉人たちと戦ってきた遠山キンジの宿敵も、神にまで手に及ぶことになるとは想像だにしなかったです。不可能を可能にする男《エネイブル》の銘をもつキンジの人間を超越した体技とHSSの真の力を駆使した戦闘シーンは、シンプルな能力こそ型にはまらない戦闘スタイルを生み出すのかと思えてくるところが面白い。しかも今回の対戦カードは、『緋緋神化アリア』VS『星伽白雪』『遠山キンジ』、シリーズ開始当初の古参メンバーというところに期待が高まる1冊でした。

それにしてもこのシリーズも20冊を越える長編シリーズとなってくると、登場キャラクターの数も膨大になってきてますね。東京武偵高校の教師やクラスメイトをはじめ、家族兄弟親戚その他いろいろと含めるとあげだしたらきりがないくらい。それでもひとりひとりのキャラクターの名前を聞くだけで、そのキャラクターがどんな人物かをすぐに想起できるあたり、遠山キンジの周囲をとりまく人間の個性の強さが伺えますね。まあ、武偵校のような血気盛んで教師ですら真人間でないところに没個性の人間がいるわけないか(笑)
以前にキンジ&矢田さん(レキ)が一般高校に転校していたときに知り合った鏡高菊代&望月萌の二人が武偵校への転向を果たしてはじめての再開を果たすシーンでも、すぐにピンときたくらいに魅力的なキャラクターにあふれている作品だと思います。武偵としての戦いの舞台の支えになるキャラクターになるとは到底思えないけど、武偵高校があくまでも高等学校に分類される中で一般的な高校の勉強もカリキュラムに取り入れられていることを考えると、この二人の存在はごく平凡な高校生の日常をたどるうえで必要なポジションだと思えてきます。