働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ネクストライフ 8

ネクストライフ  8 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
魔王ザガンはマリウスによって倒された。それによりマリウスは、ホルディアとフィラートにその存在と実力を知られる。そんな中、マリウスは自身の過去を告白する覚悟を決める。そして結婚に向けても気持ちを固め、大きく動き出すのだった。一方、その頃、サガン一味の残党・メルゲンは暗躍を開始していた。彼は恐るべきネクロマンサーの魔人で、魔王のゾンビすら作り出して支配することができるのだった。ホルディアの使者としてガリウスへ向かったエルムの急報により、またも魔王に匹敵する被害が起きたことをマリウスは知る。アステリアの命を受け、マリウスは今一度出撃する―。


異世界転生を果たしたマリウスが人類の平和を脅かしている数々の魔族、魔王の軍団をなぎ倒すストーリーも、底の見えないマリウスの魔力を目の前にしてわずか数ページの戦闘で壊滅する速さ。シリーズを積み重ねていくごとに、しばしば戦闘シーンに突入する機会があるたびにバトルもの特有の後に登場してくる敵キャラほど強くなっていき悪戦苦闘する展開……みたいなものを期待している時期がありましたが、ネクストライフに関して言えば、清々しいくらいマリウスの主人公補正とパワーインフレが圧倒的戦力の差を生み出していますね(笑)
これが良くも悪くも作用しているといいますか、身分なく素性もさだかではないマリウスのこれまでの功績が『あまりにも戦闘の終息が早すぎる』ことが災いして、アステリアが統治するホルディア貴族の面々に疑いをかけられることになります。
そりゃ、これまでの歴史上類を見ない(何万人もの人間を一度に転移魔法で移動させる魔法力など)魔法使いとしての所業を軽々と行える人間がポンと目の前に現れて、実際にその活躍を目にする機会がなければ疑うのも無理はないですね。
それだけに散々マリウスに対して嫌疑をかけ、煽りに煽った貴族の面々が腰を抜かすにいたるまでの溜めと解放感がよかった。
王道のバトル展開を通って主人公と敵方の激闘の末に、辛くも主人公が勝利を収めるような王道の路線は辿らないものの、これはこれでありだと思える異世界ファンタジーなラノベでした。