働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

剣と魔法の世界ですが、俺の機械兵器は今日も無敵です。

剣と魔法の世界ですが、俺の機械兵器は今日も無敵です。 (HJ文庫)

《あらすじ》
老衰以外では人が死ななくなった世界で唯一、怪我や病で死ぬ可能性がある少年エイジ。しかも彼は全人類が使える魔法すらも扱えない異端者だった。そんなエイジが十年前に手に入れたのは、多種多様な機械兵器の作成が可能な“工房”と、その管理者たる狐耳の少女テンコ。彼女の主に選ばれたエイジは、今日も自作の機械兵器を駆使し、立ちはだかる敵を残らず殲滅する!

現代の人類が魔法を扱える代償として前時代の科学文明を一切用いることができなくなった世界。老衰以外でしか死ぬことができず病気とは無縁、たとえ殺されても神殿で甦ることが世界の常識となった世界。この歪な世界を取り巻く環境と老衰以外の死をもたらす謎の敵の存在、なぜ主人公のおエイジだけが前時代の科学記述を唯一駆使できるのか、エイジの過去に由来するその秘密も含めて、魔法が主流の世界を機械兵器で無双する展開はすごく面白かったです。

この作者さんの前作の『新米社長のパーフェクトゲーム』を読んでいるときも思ったんですけど、ヒロインからの主人公へのアプローチの仕掛け方が強烈なのと、その相手の好意を自覚していながらもサラッと受け流している関係性が見ていて気持ちいい。過去に一国の女王・クラリッサとその近衛騎士・ララセルが敵に襲われている場面に遭遇した際に命を助けたことがきっかけだったとはいえ、クラリッサからのアプローチはなんかもう結婚を通り越して既成事実から囲っていくくらいの肉食系だし、クラリッサに至ってはエイジの強さに憧れているふしがあるけど完全にツンデレ系ヒロインだし。
クラリッサとララセルの関係が立場を超えて友人的な距離感なのに、エイジをめぐって水面下でバチバチ争っていたりで、キャラクターどうしの絡みが最高でした。