働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

かませ系ヒロインルートの結末を俺は知らない 打ち切りの5秒前

かませ系ヒロインルートの結末を俺は知らない 打ち切りの5秒前 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
女子高生にしてプロの漫画家の狗我香凛と、アシスタントの御門駿介は幼なじみである。ラブコメ脳でラブコメしか描けない香凛は、駿介に対する好意を隠すことなく、積極的にアプローチを続ける日々。そんな中、駿介の住む千歳荘に新しくやってきた管理人・歩沢ひびき。「わたしはあなたを好きにならない」と宣言するひびきが気になる駿介だったが、「あたしが、駿介のかませ犬になる」と突然香凛が言い出して―。三角ラブコメ開幕!

超モテモテ主人公・御門駿介、駿介を好きで好きでたまらない幼なじみ・狗我香凛のラブコメ劇がとてつもなく甘ったるいながらも、ラノベにおける表現ギリギリのラインをただようエロさが刺激的で、かませ犬の幼なじみの恋が実る可能性が限りなく薄く思えてくるなかにかなりのポテンシャルを秘めている幼なじみでした。駿介にかけるアプローチの仕掛け方も常にアグレッシブで『夜這い』『既成事実』を全力で成功させていくくらいの肉食系なキャラクターで、香凛の好意を知っていながらも華麗にスルーしていく駿介のスタンスがいろいろとツボにはまって面白かったです。王道でいくと超モテモテ主人公で女の子を好きにならない駿介と、恋愛感情をもたない歩沢ひびきとの間に恋愛関係が成立するのかとも思ったけれどそうではなく、本当に御門駿介と歩沢ひびきの間に恋愛関係が成立する気配が見えなかった! それでも駿介の何気ない挙動から『噛ませ犬になる』と公言している香凛が『駿介を一番愛しているのは自分だ!!』という感情を隠さないで、駿介の自宅である千歳荘に突撃していくラブコメ展開。方向性がまるで見えてこないけれど、駿介と香凛の胸焼けがするほどに濃いラブコメ模様が、たまに読みたくなるラブコメ作品っていう感じですごく面白かったです。

多くのラブコメ作品において『幼なじみは負け属性』は鉄板だとも思っていたけれど、最後まで読み進めていくと『この幼なじみならやってくれそう』ぐらいアプローチに力が入ってますね。
幼なじみの狗我香凛、管理人の歩沢ひびきの他にも、駿介を中心として女性キャラクターも登場して、ひとりの男をめぐってヒロインどうしで火花を散らして修羅場になったり、これぞラブコメっていう感じのラノベでした。イラストレーターのみことあけみさんのイラストも、ローアングルからの香凛の胸の曲線が妙にエロかったです。