働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ギルド〈白き盾〉の夜明譚

ギルド〈白き盾〉の夜明譚 (MF文庫J)

《あらすじ》
凶暴な魔獣犇めき、血気盛んな傭兵達が活躍する最後のフロンティア―新大陸。伝説の傭兵『魔眼の騎士カール』に憧れる少年レイ・ブラウンは、傭兵になるために新大陸を訪れた。到着直後にカールの子孫・マリールイズと運命的な出会いを果たしたレイは、なんとカールの作った伝説のギルド“白き盾”との契約を持ちかけられる。ところが、レイに任された仕事はギルドの経営・兵站管理を行う『運営職』だった!?しかもギルドは伝説の面影も無く、今や経営破綻目前で―。

第11回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞受賞作。夢と希望と赤字が織りなす本格派ギルド経営ファンタジー!
ギルドを支える稼ぎ手から一歩身を引いてギルドを支える運営職に視点をおいたストーリーになっていて、誰がどう見てもギルド経営破綻になる経営状況のなかで主人公のひらめきからによる打開策には鳥肌が立ちました! これはもう最優秀賞もうなずける面白さ!
ギルドとして街の人々から依頼を受けるのは運営のお仕事。その依頼をこなすのはギルドが雇う傭兵たち。そんななか、“白き盾”の抱える傭兵たちは全員が高火力・高コストといった依頼の難易度に対してあまりにもオーバーキルな戦力しか有さないため、依頼をこなせばこなすほどに赤字経営な状況。かといって主人公のレイにできるのは兵站管理の裏方作業で、これといった戦力にもならないために稼ぎを得ることもできない。
ギルド経営が火の車の状況で、商家の生まれである主人公のレイがもたらした現実的な一手には驚かされました。『ギルド運営職』という組織のトップとして、街を支える他の組織のトップたちに対して、零細ギルドだけど強気に交渉事をふっかけていった後半にかけてのラストスパートは本当に面白かったです。