働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

鑑定能力で調合師になります 1

鑑定能力で調合師になります 1 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
調合ゲーム好きの高校生・ツカサ。彼はある日、正体不明のメールを受け取った後、意識を失ってしまう。気がつくと真っ白な何もない空間にいて、目の前に神様を名乗る少女が現れる。その神様から「鑑定」能力を授かり、魔法のある異世界に転移させられるツカサ。異世界で鍛冶屋に向かい、武器調合の仕方を確認すると魔法が必要という事実を知る。魔力を持たないツカサに出来る調合は薬調合だけ…しかも、鑑定能力を使っても表示されるのは素材までで調合方法は表示されない。魔力もない、能力も低いツカサ。それでも、異世界で多くの人に出会い、助けられながら運命を切り拓いていく―。

神様から授かった『鑑定』を武器に着の身着のままで訪れた異世界ライフを満喫する内容になっていました。異世界で無類の強さを誇って無双する作品とはひとあじ違って、一見して異世界で平凡な調合師生活を送るなかでも、『鑑定』の能力があるがゆえに異世界の常識を覆す凄さを見せつける、そんな展開を楽しめる作品です。
一般的に調合師という職業がもつアイテムの調合方法は一子相伝で伝わる技術であり、アイテムの原料となる素材の調合のタイミングや分量やその他様々な要素をひとつずつ実験・検証をしてようやくひとつのアイテムが出来上がるもの。そんな途方もない作業を『鑑定』の能力をもつ主人公は、調合したアイテムを一目見ただけで性状や物性をデータ化して改善点を抽出し、調合アイテムの完成形にむけて最も効率的な方法で突き進む。そりゃー、調合師になりはじめてわずか数日の子供が軽々とアイテムの調合を成功させたら驚きもしますわ。

この手の異世界でアイテム合成の能力にたけた主人公は、得てして巷で有名になってそれが国の重要な人物の耳に入り、やがて大事に巻き込まれていくことになる展開が王道。そうなったときの『異世界召喚で手に入れた鑑定の能力でどんなことをしでかしてくれるのか?』という点に関してのこのあとのストーリーの展開は楽しみになってきますね。
ヒロインとの交友関係に関しても、調合師としての力量を買われて国の重要人物のコネクションが生まれたり、行く先々で可愛い女の子と出会ったりして、将来が有望株という点で娘の婿として唾を付けられたり。これから待ち受ける避けようのない修羅場も楽しみですね。
文章的なことを言えば、ヒロインの主人公に対する好意が表面的にあらわれるどころを包み隠さず内心まで吐露させてくれているので、『いいぞ、もっと修羅場に突き進め!!』ぐらいにたきつけたくなるので個人的にはかなりグッジョブな感じでした。

異世界召喚で平凡な異世界ライフを送るタイプのストーリーは個人的にわりと好きなジャンルなので次巻も楽しみです。