働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

織田信奈の野望 全国版 (14)

織田信奈の野望 全国版 (14) (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
島津四姉妹の確執を解き、相良義陽という姉ができた良晴。だが、豊後の国ではガスパールの罠に落ちた官兵衛が、大友家の軍師となり、良晴と島津家に挙兵の準備を進めていた!?信頼していた仲間の裏切り。説得を試みるも、良晴・義陽は官兵衛に捕縛されてしまう。囚われた良晴を待ち受けていたのは、合戦で家族を失い続け、心を壊した美少女領主・大友宗麟だった。すがるような目で、良晴を自分の恋人にしたいと言い寄る宗麟。彼女の真意は…!?そして大友・島津が激突する戦国九州最大の激戦「高城の合戦」が始まってしまう―!大人気戦国ラブコメ、九州で緊迫の展開続く14巻!

かつての家臣や同盟を結んでいたものであっても裏切り裏切られることになる姿はシリーズをとおして数多く目にしてきたけれど、いざ織田軍にその危機が訪れるとなると緊迫感の展開が続いてハラハラする。
一騎当千の実力をほこる姫武将であろうとも圧倒的戦力をほこる軍を相手に到底敵わない。捕縛されてしまえば敵方の指示ひとつで首をはねられることになるかもしれず、戦になればいつ命を落とすことになるとも知れない状況。戦国時代の世界観でもって物語が進むこともあるけれど、これまでの織田軍においても何人かの重要な人物の死を迎えていることもあって、最後の最後までここまで行動を共にしてきた人物であっても死ぬことになるかもしれないという緊張感が凄い。
相良良晴と織田信奈の天岩戸を目にした全国の姫武将たちと出会っていくなかで、姫武将のキャラクターを掘り下げるために語られる半生の作り込みかたも細かいこともあってキャラクター像が明確にイメージができる。合戦で家族を失い続けて心を壊した美少女領主・大友宗麟がこれまで辿ってきた壮絶な半生もかなり重い内容ではあったけれど、心を壊すまでに至った背景を知ることでより相良良晴と出会うことで迎える未来がどのようなものになるのかが興味が湧いてきました。

未来人の相良良晴が干渉することで変わった未来と本来辿るべき歴史の細かな設定があって読むのにかなり苦労をすることになる作品ではあるけれど、それを抜きにして姫武将の全てを救いに行こうとする相良良晴の活躍を見るだけでも十分に楽しめる作品だと思います。