働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

理想のヒモ生活 7

理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
結婚式に出席するため、ガジール辺境伯領へとやってきた善治郎とフレア姫。そこで待っていたのは、ガジール辺境伯家次女と名乗る少女ニルダだった。アウラからの事前情報では、ガジール辺境伯家の娘はルシンダー人のはず。警戒感を抱く善治郎。その数日後に問題が発生する。ナバラ王国使節団の騎士ライムンドが、誤って立ち入り禁止区域に足を踏み入れてしまう。その一件をきっかけに事は次第に大きくなっていく。事態の悪化を回避するために、善治郎が奮闘。解決への協力をフレア姫に要請する。そのことで心理的な距離が近づいたフレア姫は、善治郎に対するほのかな恋心を自覚するのだが―!?
大人気シリーズ第7弾! 善治郎とフレア姫が急接近! 女王アウラはどうなる……! ?

内政・外交、そして国の中枢に位置するを担うアウラ、善治朗が他国の要人と歓談する際、その一言一句に含まれる真意を汲み取りながら交渉をするシーン。異世界において王族のみに代々受け継がれていく魔法の鍛錬に励んだことで、徐々に時空魔法を習得しつつある善治朗の成長も気になるところではあるが、やっぱり物語の大半を占める政治が絡んだ知能戦もまた相手となる人物との駆け引きは面白い!!
この作品を読むたびに、相手から得た一の情報から二ないし三の情報を読み解く頭の良い人間っていうのはこういう人のことを言うんだなと常々感じてしまう。そして、その結論に至るまでの思考回路がなんとも言えないくらいに理路整然としていてすごくわかりやすい。

貴族・王族としての立ち振る舞いかたにはじまって、自分の行動が他の人間の目にどう認識されるかという先々のリスクを考慮して、常に一国の中枢にかかわる人間として最善の行動をとる。読者に読み取れるレベルにまで落とし込んでいくことで、善治朗の立場がどういう状況に立たされているのか理解できてハラハラドキドキの展開の連続。全ページ満遍なく楽しめて最高でした。