働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
スクールカースト”とは、誰が作るわけでもなく気がついたときには自然と構築されている不思議な階級。その最下層に位置する白根与一は図書部に入るよう命じられる。図書部の廃部にハンストで抵抗する問題児を止めるための人数合わせ(と監視役)とのこと。どんなおかしな奴が待っているのかと恐れながら部室に行った白根だが、彼を待っていたのは純真可憐な黒羽瑞穂と名乗る美少女。しかし口を開けば過激思想発言が止まらない危険人物でもあった。その中に掲げられたスクールカースト紛砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に?カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み・中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!!

序盤の展開は『校内でも有名な美少女が在籍する謎の部活に強制的に入部させられる』ベタな日常学園もの。
しかしその実態は、『部活の存続のためにはハンスト(ハンガーストライキ:こちらの要求をのむまで食事は一切摂取しない)』『ヒロインが過激思想発言の連発の超危険人物』『クラスメイトに自己批判:自分の「誤り」を「自発的」に認め、公開の場で自分自身を批判する事である』
高校生たちが主役にあたる学園ものを軸にして、『スクールカースト』に焦点を当ててここまでの強烈な個性を全開に押し出す作品は相当ヤバい。(確認していないけれどおそらく実在する)書籍をもとに美少女の口から生々しいスクールカーストの光と闇、その裏に隠された過去の出来事の数々がとにかく刺激的。
学校内でやっていることは、部内でパッとしないあるひとりの女子生徒を軽く洗脳して性格を矯正したり……
うん、学園もののなかで強烈に印象に残る持ち味があって素晴らしかったです。何よりも、この作品の世界のリアリティーは凄まじいだけに、図書部による『スクールカースト』の革命が進むその先にどのような展開が待ち受けるのかが非常に気になる。


講談社ラノベ文庫の新人賞からデビューした作者の同レーベルから出る第二作品目。そして『1』のナンバリングがあることからはこの先もシリーズ化していくことに期待が持てそう。