働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

三つの塔の物語

三つの塔の物語 (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
とある村、少年フーズと少女イサラとフィスタは何気ない日常を過ごしていた。その日は、村の年下の面倒を見ながら川で遊んでいたのだ。―そして間もなく事件が起きる。村へ戻る道中、何者かに襲撃され、光の球体がイサラに命中してしまったのだ。それは10歳という若さで時を止めてしまう魔法で…。そして時は過ぎ―三年後。フーズとイサラは呪いを解くアイテムを得るため、王都にある「塔」を目指すことに。王都に到着し、いよいよ塔に…と思いきや、道中、追っ手に追われ、慌てた様子の二人組にぶつかってしまう。訳も分からず、なすがままに手助けするフーズはその二人に「仲間にならないか?」と提案され!?

文庫本の表紙の特殊仕様な手触り。『竜殺しの過ごす日々(未読・完結済み)』『チート薬師の異世界旅(既読・完結済み)』でどんな作品を書いている作家か把握していただけに安心のクオリティーでした。
三つの塔の攻略を目指す原因である『幼なじみのイサラの身に10歳で若さが止まりやがて死ぬ』この部分が幼少期のフーズ、イサラ、フィスタの三人の村のなかでの日常のひとときと一緒にエピソードが盛り込まれていただけに、三年後のフーズとイサラの呪いを解くための冒険への肉付けになっていて楽しむことができました。

塔の攻略に際して、モンスターが蔓延るだけにフーズとイサラのふたりだけでは戦力が乏しいなか、慌てた様子の二人組にぶつかったことで仲間にならないかと提案される。この『偶然の出会い』から『正式な仲間』になるまでのスムーズな流れ方と急展開なイベントの数々が気持ちがいいくらいしっくりくる。これは長編RPGの初期の流れを読んでいる感じに近い印象で手堅く面白い作品でした。