働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

聖樹の国の禁呪使い 6

聖樹の国の禁呪使い 6 (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
四凶災との激戦を終えたクロヒコの前に、ついに一連の事件の黒幕である“無形遊戯”ノイズ・ディースが姿を現す。その愛憎ゆえに、キュリエを徹底的に破滅させるべく動き出すノイズ。応戦しようとするクロヒコはしかし、ノイズの思惑を阻止する唯一の手段である禁呪を封じられてしまい―。力を奪われたクロヒコのため、そして自らの因縁に終止符を打つためにキュリエは刃を振るう。だが、全てはノイズの手のひらの上で…!?「壊すのは、あなたの心」禁呪使いの少年と銀の戦乙女の出逢いから始まった因縁は、ここに決着を迎える。

このラノベを読んでいているとつくづく、禁呪の力を開放していくたびにクロヒコの身に起きる変化とヒビガミの口から語られるクロヒコという人間の本質にある人間性がかなり丁寧に書いてあるところが、ゲーム映えしそうなストーリーだと思えてきますね。
シリーズをとおしてクロヒコの代名詞ともいえる『禁呪使い』の能力の代償が徐々に蓄積されていき、いつかこれが暴発して取り返しのつかない事態を巻き起こすのではないか……。そんな危険性を秘めた力と共存しているクロヒコを中心に、キュリエやセシリーといった強い仲間に囲まれている安念とした日々がいつか脅かされるのではないか……。web版は未読なので完全にイメージでしかないけれど、シリーズが進むにつれて徐々に引き返せないレベルでクロヒコの抱える爆弾が進行している状況が、いつか壮絶な展開に突入しそうな予感がしてならないですね。

これまでの一連の事件の黒幕であるノイズ・ディースや四凶災といった強敵との熱いバトルも見どころだけど、キャラクター同士の語り合いもなかなかに奥深くてかなり濃い内容になっている作品で、この持ち味は小説家になろうから書籍化された作品だからこそ出せる面白さだと思いました。