働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

V系バンドの王子様が実は学園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ

V系バンドの王子様が実は学園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
緋萌―売り出し中のヴィジュアル系バンド、Rosenkreutzのギターボーカルだ。偶然彼と出会った俺は、ふとした流れで緋萌の秘密を知ってしまう。透き通った肌、しなやかなウエスト、桃のようなお尻、揺れる二つの膨らみ―。そう、ステージの王子様・緋萌は、実は女の子だったのだ!さらに俺は、彼女が同じ学校で全校生徒の憧れを集める少女・百合園萌々であり、バンドメンバーたちも同じく学園のお嬢様たちだということを知る。そして俺は、彼女たちの夢に協力することになり…!?「わ、わたしにできることなら何でも…する、から…秘密にしてください!」薔薇色の秘密に彩られた学園V系ブコメが、新たなるシーンの幕を華麗に上げる!

昨今の異世界ファンタジーに飲み込まれつつある新作のなかにこういう王道を走る学園ラブコメにめぐり合うと、平和な日本の環境で過ごす高校生たちの和気あいあいとしたやり取りが清涼剤のように気持ちよく感じることができて癒されます。

この作品のタイトルにもなっている『V系バンドの王子様が実は学園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ』のことの発端にもなる「男だと思っていたけれど実は学園一の微小だった!」が発覚するきっかけは、「この先の展開はラブコメ的にこうなるだろう……」と予知できるレベルでした。
しかし、かえってそういう『自然の流れをよそおった美少女ヒロインたちとのラブコメ展開』が、このご時世、知らない間に枯渇していたラブコメ展開なんだと思えるくらいスムーズに楽しむことができました。
V系バンドとして活動する三人の女の子たちと主人公を中心とした物語のなかで、『音楽』に関連するエピソードと調和したなかでのキャラクター同士の掛け合いと絡めて、三人の女の子ソロ対主人公(男)のシチュエーションに自然と持ち込んでキャラクターを遊ばせるところもまさに学園ラブコメの醍醐味。
個人的なひいき目もあるけれど、たまに読みたくなるラブコメ成分を補充する対象としてはベストな作品だと思いました。