働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

異世界詐欺師のなんちゃって経営術

異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
日本にその名を轟かせた大詐欺師のヤシロ。悪運尽きた彼が16歳の少年として転生したのは『嘘が吐けない巨大都市』だった。嘘を嫌う『精霊神』により嘘吐きは“カエル”にされてしまう世界だという。偽造通貨所持を疑われ、衛兵に追われて粗末な店に飛び込んだヤシロは、息をのむような巨乳の美少女ジネットになぜか歓待されて!?『小説家になろう』&『カクヨム』発の口八丁な経営コメディ開幕!

精霊神の能力によって、人々の発した言葉の全てが言質をとることができる巨大都市。嘘をつけない=交わした言葉を証拠として提示ができ、嘘つきを裁くことができる。そんな世界に、詐欺師を生業にしていたヤシロが着の身着のまま転生することになり、この嘘つきを裁くシステムが確立された世界で第二の人生を送る異世界スローライフ作品。

『嘘をつけない』はずの異世界にも関わらず、システムの弱点を突いた詐欺師たちが横行する異世界。うっかり発した言葉が“嘘”として扱われて生殺与奪権を握られかねないなか、口八丁で『嘘はつかずに相手をだます』を貫いていく主人公のヤシロがクズにしか見えないけど芯の部分でやさしい一面もあって凄くカッコよく映る。全体の比率で見ると、やっていることのほとんどがクズ過ぎるけど、最後の部分で異世界の衣食住でお世話になっているジネットを嗅げながら助けるように立ち回っているところが、結局のところ困っている人を見捨てられないいいやつだという認識に改めさせてくれる決め手になってますね。

そしてこの、『嘘の言質をとるシステム』がなかなかに奥深くて、詐欺師がかもを騙す手口が披露されるたびに「なるほど!」を味わえて、詐欺師が詐欺師を騙すために細かな策を弄して罠にはめるところは、さらなる「なるほど!!!」が披露されるので読み応えが抜群。頭脳戦・知能戦の要素も兼ね備えた異世界転生もので、言葉ひとつで生殺与奪権を握られかねない緊張感と異世界ライフのゆるい雰囲気のバランスがよくてページがサクサク進む良作でした。

個人的にもかなりおすすめしたいラノベです。