働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

転生少女の履歴書 2

転生少女の履歴書 2 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
伯爵家の養女に迎えられたリョウは、貴族の学校へ入学する。学校では、昔小間使いとして仕えていたレインフォレスト伯爵家の兄弟カイン・アランと再会。二人との再会を喜ぶも、子分でもあるアランがリョウを心配しすぎるが故に様子がおかしいことに頭を悩ませ、リョウは一計を案じる。一方、学校に入学したからには、友達を作りたいと意気込むリョウ。しかし、特殊な境遇で入学していることで周りの生徒からは警戒され、リョウと関わろうとする女生徒はごく少数だった―。
今度は伯爵家の養女に! 元・貧農&小間使い&山賊の使い走りが、貴族の学校で大暴れ! ?

貧困にあえぐ農村に生まれ、魔法使いを有する伯爵家の小間使いとして雇われ、道中で山賊に拉致されて仲間になる……、リョウの幼少期の凄まじい経歴をもじった作品『転生少女の履歴書』は同年代の様々な身分の人間と交友関係が広がることで、転生者・リョウの常識にはまらない価値観が学園生活のなかで顕著に表れる場面が多々あって面白かった。

元々が異世界転生者なだけに年齢にそぐわない思慮深さと豊富な知識を兼ね備え妙に世慣れをしている点もあり、学園主席入学を果たすだけのスペックの高さをもっているけれど、コミュニケーション能力の方面に欠陥があるみたい。学園内でたびたび他のご令嬢とトラブルを起こしたり、身近な交友関係で波風をたてていたりして、もうちょっと他人の感情をくみ取る能力を身に着けようよ……と、思わされることもしばしば。
そんなんだからアランの思春期男子の露骨な態度を表面的にしか汲み取れないんだよ。女の子主人公だから永遠とアラン君のツンデレなアプローチを見せつけられて誰得だよ。

もともとこの作品は1巻の書籍版を読んで(web版未読)かなり気に入っていた作品だったので2巻も迷わず買ったけれど、全部読み切った印象としては1巻に劣らず安定して楽しめました。異世界転生ファンタジー+日常パート多めなタイプの作品で、キャラクター同士の絡みや交友関係の広がることで新たな展開がドンドン生まれて、リョウの周囲の状況がドンドン変化していく光景を味わうことができてスムーズに読み進めることができました。次巻も楽しみです。