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働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

彼方なる君の笑顔は鏡の向こう

講談社ラノベ文庫 ラノベ

彼方なる君の笑顔は鏡の向こう (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
品行方正で容姿端麗、誰もが憧れるような美少女、音和彼方。僕、兎下詩歌の幼馴染みはそう思われている。でもその本性は―僕と二人の時にだけ出てくるのだけれど―とんでもなくだらしない怠け者。不在がちの彼方の親に代わって彼方の世話をするのは僕の役目なのだ。そんな駄目な彼方と、取り壊しが決まった近所の古い神社を見に行ったときに古い鏡に激突。3つに割れてしまった鏡が急に光りだし―突然現れたのは、どこか彼方に似た三人の少女。三人は僕に親しげに話しかけてくる。戸惑う僕に対して彼方はどこかよそよそしい。一体何が起きてるの!?三人の説明では彼方の想いを鏡が反映したらしいのだが―ってことは元は全員彼方!?実力派が贈るちょっと不思議な変則ハーレム・コメディ、開幕!

ごく普通の高校生“兎下詩歌”と幼馴染の“音和彼方”が仲睦まじく学校生活を送る光景と、詩歌の家でもお互いに幼なじみ同士の知ったなかで交わされる親しいやりとりにほっこりする。幼なじみがもつ気兼ねすることなく思っていることをぶつけてくる彼方のキャラクターから詩歌に対する好感度に近い信用のようなものがにじみ出ていて、短いやりとりのなかにこれまでの人生で育んできた彼方との関係が詰まっていて凄く良かった。あらためて、『3つに分かれて4人になった彼方のなかを含めて一番好きな彼方は?』と聞かれても、「最初期の彼方です!!」だと断言できる。

偶然生まれた3人の彼方の存在はやがてひとりのもとの人格に統合されるであろう展開も、その過程で芽生えてくる『目の前にいる3人の彼方も彼方である』という理性と倫理の板挟みになる展開に突入する未来は予想の範疇。しかし、詩歌のおかれる立場と『本当の彼方を取り戻すために、3人の彼方をどうするのか』の選択肢をとるまでの物語の数は無限大にあるので、この手のシチュエーションは何回読んでも楽しめますね。

デビュー作である『二線級ラブストーリー』、DX文庫から刊行されている『その10文字を、忘れない』も読んできたけれど、どれも素晴らしい作品だっただけに次回作もとても楽しみです。

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)