働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

魔術師たちの就職戦線

魔術師たちの就職戦線 (ファミ通文庫)

《あらすじ》
「……死ね」という言葉とともに気を失った進藤雪也は、編入先の“不動台術式高専”の保健室で目を覚ました。紹介されたクラスで彼を攻撃した少女を見つけたユキナリだが、クラスメイトとなった山崎雅明や網代木澪の話から、「この学園は素養のある生徒だけが集められた日本最高の退魔士育成機関」であること、そしてあの少女の名が蘭崎香織里であることを知り、彼女が幼い頃に別れた双子の姉であることを思い出す――!
姉と弟、最悪の再会が始まりを告げる新世代学園異能バトル!

素養のある生徒だけが集められた日本最高の退魔士育成機関に編入することになった主人公の進藤雪也。退魔士の技能を何ひとつ有していない彼を学園へと招き入れた人物、そして彼の母親の謎めいた経歴。多くの異能力者が集う学園がもつ特殊な組織図やまだ登場しないトップクラスの実力を持つ生徒。今後の物語の展開に深く関わりそうな要素が多数散りばめられていて、1巻を読んだだけでも『長い目で見てこの作品の世界を楽しんでいきたい!!』と断言できる伸びしろのある作品でした。

異能力バトルにおいては、各人が“日本最高の退魔士育成機関の生徒”だけあって独自性のある戦闘スタイルが確立されていて、戦いにおける戦闘描写の肉付けも見ごたえのあるものでした。それも肉弾戦による近接戦闘から召喚獣などを用いた間接戦闘まであり、これから登場するキャラクターや披露される能力次第ではさらなる広がりを見せる学園異能バトルの様相を秘めているように感じられました。

進藤雪也がなぜ退魔士育成機関に編入することができたのか。その全容はほとんど明かされることなく1巻が終わったわけだけど、『まだ御しきれていない謎の力』が秘める潜在能力や、これから先に雪也が出会うであろう学園内のトップに君臨する生徒の存在が、まだ見ぬ展開に対する期待値をガンガン上げてくれる。
個人的にこの作品の長期シリーズ化にまで軌道に乗ってほしいです。