働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

異世界魔法は遅れてる! 7

異世界魔法は遅れてる! 7 (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明。幼なじみの朽葉初美を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹―否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒が姿を現し…!?異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!

一時期は新刊の刊行が危ぶまれて好きな作品の打ち切りまで覚悟をしていたけれど、イラストレーターの交代という形でこの物語が再び世に出たことがひとりのファンとしてこの上なく嬉しい。

異世界での水明の戦闘能力の高さが魔術師としての単純なパワーだけでなく、彼の強さの礎にある現代の魔術技術の水準の高さとそれに裏打ちさされた魔術師としての強さによる部分を深く掘り下げられていて、バトルにおいてもそれらが存分に発揮されているところがよりバトルを盛り上げていて面白かったです。
八鍵水明&安濃瑞樹(イオ・クザミ)&リリアナ VS 帝国十二優傑による模擬戦では、水明によるリリアナとフェルメニアに向けての魔術講義が開講されていて、戦いの模様から各々が分析をして独自の対処法を導いている姿は、自分がこの作品を好きな要素が詰め込まれていて熱くなりました。

異世界には多種多様な魔法が存在しており、術者が魔法を行使したときに生じる変化も一見しただけでは不明瞭ではあるけれど、魔法の根源的な部分を紐解いていくことでおのずと答えは導き出される。水明(先生)が自分以外の対戦カードを見学しているなかで、初見の魔法に対しても的確に分析するところは、『異世界魔法は遅れてる』のなかで形作られた独自の魔法理論ではあるけれど肉付けがガッツリされていて読み応えがあってよかったです。

この作品のファンである自分としてはオーバーラップ文庫から刊行されるなかでもトップクラスに面白い作品だと思ってるので、凄くおすすめです。