働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

リア充になれない俺は革命家の同志になりました2

リア充になれない俺は革命家の同志になりました2 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
過激な美少女・黒羽瑞穂は、生徒会に宣言文を突きつけ息巻いていた。そんな彼女の制御役もとい監視役の白根与一も、スクールカーストでは最下層に位置していた。学校で浮いている二人に構わず声を掛けてくるのは、カーストのクイーンビーである中禅寺さくらだけだと思っていたのだが…。男子バスケ部の高崎が白根に入部を勧めてきた。彼が王様(ジョック)の地位にある者と知り、白根は警戒してしまう。さらにさくらの取り巻き女子である渋川が黒羽の怒りをかうという事件が勃発。人と拘わらない事で平穏な日々を過ごしていた白根の日常はもはや崩壊、ここまできたらスクールカーストの地位を全てぶち壊すクーデターを起こすことに!?

スクールカーストトップに君臨する人物の地位とコミュニティ崩壊をもたらす手段のえげつなさ、上っ面だけで形成された人間関係の脆弱性を突いてひとりの人間をいともたやすくどん底に突き落とす。クラス内ヒエラルキートップの人間が形成する“空気”の恐ろしさがひしひしと伝わってきて、こんな高度な権謀術数が水面下で繰り広げられているクラスにのこのこと巻き込まれた日には、対人恐怖症と一生のトラウマを植え付けられそうで怖い。

マルクス主義を標榜する革命家に染まったことも、校内でデモ活動に勤しんだことも、それこそ崇高で壮大な目標を実現するために、夢半ばで朽ち果てることを見越して高校生にして遺書を記したこともないので、どれだけ本作に登場するキャラクターが狂っているかは痛いほどわかる。
学園ものにおいては、“学校”というひとつの空間に同世代の多種多様な生徒が集まるからこそ、ヘンテコな部活が創られたり、濃ゆいキャラクターが登場する素晴らしいジャンルだと思うのだけれど、さすがにこれはヤバすぎではないか?
いったいどんな人生を歩んだら「国家権力の犬」なんて危険ワードを平然と吐き出す女子高生が誕生するっていうんだ。何もかもがぶっ飛びすぎてる。