働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家

ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「バッキャロウ!こういう人気作は、発売日に買いたくねえんだって。俺より売れてる作家の初動に貢献したくないの!」アニメが爆死した、意識高い系ラノベ作家・神陽太の年収は2500万円。アニメがコケてもこれぐらい稼ぐことはできるが、この業界では全然たいしたことはない。上には本当に上がいる。そんなシビアな業界で陽太は“プロ”らしい日常を心がけるが―税金対策として雇った幼馴染み・希月結麻はラノベ知識ゼロ。後輩作家のJKとJCの才能には焦らされ、担当編集からはダメだしの嵐…。それでも野望達成のため、今日も執筆で金を稼ぎ続ける!望公太が贈る『日常系』のハイエンド登場!!

フィクションとノンフィクションの境目がわからない!! ラノベ業界の裏側を自虐的に赤裸々に語るにしては、JDの幼なじみがいる時点で人生勝ち組過ぎて嫉妬に狂いそう。執筆業で年収2500万円ラノベ作家の身の回りを世話する通い妻系ヒロインのシチュエーションがうらやましすぎて死にそう。

この作品以外にもこれまでに数多くのラノベ作家を主人公においた作品を読んできたけれど、そのどれもが普段は目にすることのできないラノベ業界の裏話がふんだんに盛り込まれているので、ラノベが好きな自分にとっては興味の尽きることのないエピソードの宝庫なので、もう読むのが楽しすぎてしょうがない。
作家ごとに渡り歩いてきたレーベル、編集とのやりとり、アニメ化やコミカライズ化などのメディアミックス経験が少なからず作品中に(真実は定かではないけれど)落とし込まれているので、エピソードのリアリティが桁外れにすごい。
『年収2500万円作家の税金対策にアシスタントを雇う』『作家ごとの執筆スタイルの違い』も興味深いけれど、後者に関しては作中キャラのスタイルを「いやいや、そんな人いないでしょ(笑)」で切り捨てようにも「もしかしたら本当にこんな風に執筆している変人がいるのか? 」とも思えてきて、判断に困る。

あとやっぱりしらびさんの描くキャラクターはいつみても素晴らしいですね。同レーベルの“災厄戦線のオーバーロード”をはじめ、「このイラストレーターさんが担当しているだけで買いたくなる」「さっすが人気のイラストレーターさんなだけあって、イラストのクオリティも半端ないなー」というのが自分の印象。

ラノベ業界の裏話を赤裸々に語り尽くした作品としても、ラノベ作家主人公の日常を描いた作品としても傑作だと思うのでおすすめです。