働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ゴブリンスレイヤー 4

ゴブリンスレイヤー4 (GA文庫)

《あらすじ》
「ゴブリンよりは、よほど危険だ。だが魔神どもとは比べるべくもない」
国王署名入りの依頼「悪魔の塔」の討伐に重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーの三人が挑む――。
「ね、ぶらぶらしよっか」
ゴブリンスレイヤーのいない休日、牛飼娘は女神官と街を散策する――。
「見てなさい。私が世界の一つ二つ、救ってあげるから! 」
妖精弓手は冒険のない日、受付嬢の提案で、聖騎士を演じる――。
「森人と一緒に冒険に行けぇ?」
種族を超えた共闘、これは彼と出会う前の三人の冒険――。
辺境の街で紡がれる、十の物語。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第4弾!

このライトノベルがすごい! 2017 文庫新作ランキング1位! 文庫ランキング第5位!
牛飼い娘や女神官をはじめとした多くのサブキャラクターが冒険者稼業から距離をおき、平和な日常のひとときを過ごしている光景が多分に含まれていて短編集的なニュアンスの強い構成になっていました。そのなかでは、意中のゴブリンスレイヤーに向けた受付嬢や女神官による回りくどいアプローチがいつものごとく披露されているけれど、ゴブリンスレイヤーさんのぶれることのない徹底した寡黙なキャラが上手い具合に掛け合いがスムーズに進んで、独特のやり取りが妙に気持ちがいい。ゴブリンスレイヤーさんの必要最低限の言葉数で済ませようとするコミュニケーション術も、彼をよく知る冒険者仲間からは「わざわざ意見を聞かなくてもわかる」レベルで会話のイニシアチブを握ってやり取りをしていて、それがまたコメディー的で笑えてくる。

冒険者たちが日々繰り広げているモンスターとの戦い。一見して弱そうに見えるけれど他のモンスターにはない知恵を働かせることで残虐に殺戮の限りを尽くすゴブリンの実態。ゴブリンの視点で冒険者が窮地に陥る状況を俯瞰することで、冒険者とモンスターの戦いに血生臭さとグロ要素が強調されてとても刺激的。冒険者とモンスターが戦ったときの強さが、仲間同士の連携と職人たちが作り上げた武器と防具を身に着けている人冒険者たちが有利といえど、きわめて等身大のスケールで描かれているので、常に生き死にをかけた冒険者たちの戦いにおいて強烈にリアリティーがあって最高でした。

このライトノベルがすごいで新作ランキング首位に君臨するこの作品がこれから先どのような物語りに突入するのか。新刊が楽しみです。