働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ハナシマさん 2

ハナシマさん 2 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
韻雅町を震撼させた猟奇殺人事件から半年、新たに発生した女子高生失踪事件。警察が捜査に乗り出すも、消息を絶った女子高生、草薙勾玉は偏屈者として有名で、その奇矯さから同級生に友人と呼べるような相手はおらず、参考になる証言もなし。捜査が暗礁に乗り上げるなか、勾玉の後輩で交流があった桜井道隆は警察の捜査に協力することに。やがてたどり着いた唯一の手がかりは『異世界に行ける方法』にまつわる都市伝説の噂だった―。第10回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞のフォークロアミステリー第2弾!

書店でこの本を目にしたときの圧倒的なまでに求心力があり目を引くイラスト。“ハナシマさん”のもつミステリアスな世界を引き継いで『異世界に行く方法』にまつわる都市伝説に隠された秘密に挑む物語。今回は猟奇殺人なんていう強烈に記憶に焼き付けられるグロテスクな描写は極力抑えられているので、読者の精神を摩耗させられることなく“ハナシマさん”の独特の世界を味わうことができ。前巻とは少し違った方向でもって楽しめました。
都市伝説として世に広まっている『異世界に行く方法』やそれに関連して起こった事件の全容が明らかになったときは、これまで謎に包まれていた要素が全てつながったときのカタルシスでもって押し寄せてくる。
最後まで読み終えたときには、これまでにあまり例を見ないタイプの作品から味わえる読後感のようなものもあって、凄く有意義でスッキリとした感じでおさまる作品。

毎月刊行される数多くの作品群のなかでも独特の世界を楽しめる作品であり、ガガガ賞受賞からの安定したクオリティと面白さがあるので個人的にはおすすめの一品です。