働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

10年ごしの引きニートを辞めて外出したら 3異世界でエルフに会いました

10年ごしの引きニートを辞めて外出したら 3異世界でエルフに会いました (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
10年ぶりに家から出たと思ったら異世界で暮らすことになった北条雄二は慌てていた。現代日本で繋がっていた電気・ガス・水道・ネットが使えなくなり、家の敷地を囲っていた謎バリアも消失していたのだ。ライフラインが断絶し、モンスターへの備えもない。シビアな異世界サバイバルが問答無用でスタートしたのである。そんなとき手を差し伸べてくれたのは、開拓地の仲間たち。みんなで協力し、なんとかして快適環境を取り戻したユージたちは、情報を求めてエルフの美少女リーゼと青年ハルに出会う。エルフの力と知恵を借りてひとまずの危機を脱するも、さらなる悲報を告げられたユージたちは…!?

モンスターがはびこる異世界の過酷な状況下で、充実した現代の生活インフラと謎バリアで平穏な生活を送っていた矢先の大騒動。電気・ガス・水道・バリアが消えたときのどうしようもない危機感と、貴重な知識の供給源であるインターネットの住人たちのアドバイスも断たれて、本格的に異世界での窮地に陥っていてなかなかに緊張感のある展開でした。現代技術の粋を尽くした設備が全部機能しなくなると、水の確保も井戸に頼らざるをえなくなり、トイレひとつをとっても野外があたりまえ、お風呂なんてもってのほか。
一気に生活水準が異世界レベルにランクダウンすることになり、ユージやヨーコの悲鳴が飛び交うサバイバル生活を余儀なくされるなかでも、開拓地の仲間たちと交流し協力し合うなかで結束を深め合っていて、どんな集落に発展していくのかが楽しみになる光景でした。

異世界と現代日本をつなぐ力に隠された秘密や、ユージたちが異世界に巻き込まれている現状に対する情報など、物語の核心に迫る部分に大きな進展をもたらす内容にもなっていて、物語が収束にむかいつつあることも実感できて読み応えのある内容でした。
異世界ファンタジー作品のなかでも、戦闘シーンやユージたちの成長過程がコンパクトにまとまっているので、モンスターや敵対勢力との戦うときの戦局の流れがつかみやすくかつ読みやすい作品でした。