働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

編集さんとJK作家の正しいつきあい方

編集さんとJK作家の正しいつきあい方 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
青春よりもバイト優先の高校生ラノベ編集者、冴原吹雪。彼の下宿先『なつめ荘』は変人作家の巣窟。禁断の兄妹愛に憧れるブラコンストーカー、百合鴎凛。関西系ドイツ人、ミシェル・メッサーシュミット。そして、断トツにおかしいのは…「冴原吹雪は私のご主人様です。いっぱいご奉仕します」作中ヒロインになりきってデレまくる、トンデモ執筆スタイルの竜園寺美沙。担当以上の関係を求めてくる美沙だが…吹雪の編集脳はそれを凌駕する!「きみの水着エプロン姿は可愛い。だけど担当としてはこのシーンを修正したい。猫耳を付けてもう1回だ」編集×作家の正しい(?)同棲ラブコメ開始!

男子高校生ラノベ編集者×女子ラノベ作家が生み出すラノベ業界ラブコメ。プロの編集者顔負けの編集者スキルで業務を遂行する主人公のワーカーホリックぶりと仕事にかける強すぎる熱意が、彼とともに仕事をする人たちを容赦なく引っ掻き回していてコミカルさが全力全開。
ベテランラノベ作家である“あさのハジメ”が執筆しただけあって真偽は不明だが実際にありそうなエピソードが適度に盛り込まれていて、生々しいリアルさを醸し出していて妙に面白かった。編集長のデスクで酒瓶片手にタップダンス……、そんな編集者ももしかしたらいるかもしれない……。

ブコメにおけるコメディ要素に関しては近頃よく見かけるようになった業界ものとして十分な面白さがあったけれど、肝心の恋愛方面に関しては“仕事”という関係性を一枚隔てているだけに読んだ実感が薄く感じられました。というのも、“ラノベ業界もの”としてのインパクトが強かった分恋愛方面の印象が薄かったからかもしれない。

全体的には“ラノベ業界者”“ラブコメ”を詰め込んだ作品としてはほどよく楽しめる作品ではあったので、こういったタイプの作品を読みたい人がいたら機会があったら、是非読んでみてください。