働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

異世界詐欺師のなんちゃって経営術4

異世界詐欺師のなんちゃって経営術4 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
元詐欺師のスキルをフル活用し、食堂を軌道に乗せはじめたヤシロ。いつも通りパイオツカイデーなジネットと、順調に店の認知度を高めていた矢先、雨が降り始める。大雨による不作・物価高騰に苦しむ領民と、彼らを追い詰める行商ギルドの非道さを見たヤシロは―「あくまで自分のためだ」そう宣言し、行商ギルドに勝負を挑む!しかし狡猾な行商ギルドのアッスントは“精霊の審判”でジネットをカエルにすると脅迫して…!?
元詐欺師VS.行商ギルド!『嘘が吐けない都市』を揺るがす大勝負!!

『嘘が吐けない都市』をとりまく『会話の内容が記録される』なかで世界の法則を欺き搔い潜ることで、言葉巧みに詐欺をはたらく手口がとにかくえげつない。そして、世界の法則に逆らう危険な行為と、そこまでして騙す相手に立ち向かうときの真剣勝負の模様が激熱で、決着がつくまでがとにかく目が離せない。
元詐欺師であるヤシロが相手を徹底的に屈服させるまで言葉の応酬も、『会話の内容が記録されるために嘘が吐けない』というシステムに引っかからないように、発する言葉の隅々にまで気を配る姿も、知能バトルの様相を呈していて読み応えが抜群。

かつて詐欺師だったヤシロの肩書が表しているとおり、頭のキレと発想力はジネットの食堂の経営に多くの成果をもたらし、新たな事業を手掛けるまでの手際の良さと先々を見通す思慮深さが丁寧に描かれているので読みやすかったです。
悪意に満ちた世界に身を置いてきたヤシロなだけに、他人から向けられる悪意に対しての敏感さと標的を定めたときに徹底的に敵を叩き潰す姿も容赦なく描かれていて、思わず引くくらい。
しかし、それだけに目を釘付けにする物語の起伏を感じるので最高に良かったです。
おすすめの作品なのでぜひ読んでみてください。