働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲

精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲 (HJ文庫)

《あらすじ》
レイスが操る魔物の大群に襲われていたリーゼロッテたちの一団を発見し、その戦闘へと加勢したリオ。圧倒的な力でもって次々と魔物を屠ってみせた彼に対し、その場に居た誰もが強い興味と関心を示す。またリオも更なる勇者召喚の情報を求め、貴族たる彼らと友好的な関係を築こうと動き出すが―「どうだ?俺はお前にとって、お望みの人間だったか?」「…ああ、ずっと探していた」その過程でリオは、追い続けてきた憎き男との邂逅を果たす!!

リオの因縁の相手との邂逅の自然な流れ、精霊の力を身に宿すリオの剣術で敵を勧善懲悪らしく叩きのめしていくことで爽快感を味わわせる物語の運び方がいつもながら絶妙で個人的にもかなりお気に入りの作品です。
広い異世界を身ひとつで旅を続けるリオが多くの人々との出会いと別れを繰り返すなかでも、かつて出会った人々が時を経てごく自然な流れで物語に組み込ませ登場させる。そして、久しぶりに再会したときにお互いの思い出を共有する語り合い仲睦まじくしている光景にはいつも心が洗われる。

いつも1冊あたりのボリュームが重厚なこともあり、新登場のキャラクターやサブキャラクターまでの数多くの登場人物に対して割くページ数も十分にあるため、丁寧にエピソードが練られて非常に記憶に残りやすい作品になっています。リオの旅の目的を進展させる大きな流れのワンシーンから旅先で出会った女の子とのおだやかな日常のひと時など、あらゆる角度からキャラクターの持つ個性やポジションを描き出してくれるので、読む側にとってとても読みがいのある作品です。

小説家になろうから刊行されている書籍化作品群のなかでも五指に入るお気に入りの作品なので興味のある人はぜひ読んでみてください。