働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者17

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者17 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
富士樹海に出現した謎の穴で通じた異世界、慎一が日本政府からオタク伝道師として派遣された神聖エルダント帝国があるファンタジー世界は、実は遥か遠い未来世界である事が分かる。しかも、肝心の穴は不安定化し始めていて、もしかすると現代日本との行き来が出来なくなる可能性も出てきた。そうなれば、派遣された人々は時間的な島流しになってしまう。慎一たちは、異世界からの去るように指示される。だが、慎一の心は今や異世界側にあり、簡単に帰る決断は出来ない。そんな悩める慎一に、さらに現代日本と異世界を巻き込む巨大なリスクが襲いかかる。それは『ファイナルカウントダウン』って、なにそれ?

日本とエルダントをつなぐゲートに生じた異変。そして、日本政府の決定したゲートの完全封鎖。政府の決定に絶対的に逆らうことのできない慎一の苦悩と、長い年月を共に過ごしてきた仲間たちとの別れを惜しむ光景。ひとりのオタクとしてこれまで数々の異世界の窮地を打開してきた慎一が、日本政府を相手に決断を迫られた時の無力さが全てを物語っている。
シリーズファンにとっても、日本とエルダントをつなぐブラックボックスな存在に対してどんなアプローチをしかけて収束に向かわせるのか。そして、慎一の鈍感ハーレムにも決着をつけて真剣に相手の好意に向き合っている状況でどんなオチを付けてくるのか。その一点が気になってしょうがない。

これまでに刊行されてきたシリーズ全巻を通して読んでみても、根っからのオタクがファンタジー世界にやってきてノリと勢いで窮地を乗り越えることで、シリアスな空気もサラッと吹き飛ばす。読みやすい文章とオタク主人公ならではの表現も多彩でとても読みやすいシリーズになっているのでお気に入りの作品です。