働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

覇剣の皇姫アルティーナXII

覇剣の皇姫アルティーナXII (ファミ通文庫)

《あらすじ》
ラトレイユにより謀殺されたと思われていたレジスだったが、帝都に戻り、政治面で暗躍していた。同時にアルティーナが軍を率いて帝都に現れる。緊迫した状況を招きつつ、ついに再会するレジスとアルティーナ―。だが、無事を喜ぶ暇もなく新皇帝の即位を目にする二人。そして、ラトレイユは近隣諸国へ宣戦を布告し、アルティーナたちは、劣勢の続く南方戦線へと派兵されることに!覇剣の皇姫と読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第十二弾!

レジスが死亡した知らせを皮切りにアルティーナとの心の距離にも変化の兆しが見えて、読書狂のレジスにも相応の青春がやってきたのかと口元がにやけてきそうな展開に。
覇剣の皇姫アルティーナシリーズはメインキャラになるレジスやアルティーナを筆頭に、多くのサブキャラクターたちが強烈な個性と過去のエピソードから容易に人物場が浮かび上がる読みやすさがあり、刊行まで長期の期間を経ていたとしても前回までのあらすじがあるから読者にやさしい構成になっていてとても助かる。

全体の文章の構成をとってみても、簡素な表現と戦局での采配、有事の際の対応の手際は頭の中にスッと入ってくる読みやすさ。『戦記』『ファンタジー』の側面を要求する戦いが絡む場面において、この読みやすさのおかげでレジスとアルティーナの陣営をはじめ、登場人物たちが立たされている局面の把握が容易になるので、スムーズに物語を楽しむことができて凄く助かります。

軍において一騎当千の戦力をほこる人物や情報収集に長けた人物、レジスやアルティーナやジェロームなどといった様々な分野で能力を発揮するキャラクターが数多く登場するなか、自らの分野で活躍する光景だけでなく戦場から離れたときの暮らしも見せることで、キャラクターの個性に深みが生まれてきていると思う。サブキャラクターに至るまで掛け合いによる遊びもあり、ストーリーそっちのけで楽しめる部分もあって面白かったです。