働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

ユリア・カエサルの決断 1 ガリア戦記

ユリア・カエサルの決断 1 ガリア戦記 (オーバーラップ文庫)

《あらすじ》
ローマの英雄カエサルは巨乳で借金まみれの女好き!?
好きな時代は古代ローマ、尊敬する偉人はローマの英雄ユリウス・カエサル――
そんなローマ好きの高校生・糸原聖也(セイヤ)はある日、月の女神を名乗る美女に異世界へと転送される。そこは古代ローマそっくりの世界。
セイヤは憧れのカエサルに出会えたが……異世界のカエサルはユリアという名の金髪美少女だった!!
ユリアの家に住むことになったセイヤは、衰退するローマを変えるユリアの夢を知り、協力を誓う。ところがユリアは女好きで借金まみれの問題児!?
セイヤはユリアの計画する公共事業とイベント開催の資金を借りに行くことになり――!?
少女の夢が世界(ローマ)を変える異世界英雄ファンタジー、堂々開幕!

歴史上の偉人を土台にしているだけにキャラクターのディテールが丁寧に作られていて、古代ローマ生活様式や文化を織り交ぜることで独特の雰囲気と日常風景を醸し出すまでに昇華されており、新人賞作品としてはこの上なくグッドな異世界英雄ファンタジー作品でした。

もっとも、ユリア・カエサルに関しては門外漢であり、“カエサルが美少女ではない”ということ以外がどこまで史実をなぞっているのか把握できていないけれど、ローマ好きの高校生主人公が熱く丁寧に解説してくれるおかげで、自分の中で大まかにかみ砕いて解釈しながら読み進めることができてスッと内容も入ってきて読みやすかったです。

主人公がローマに召喚されることになったきっかけも作中で事前に説明があったように、“ユリア・カエサルを本来辿るべき未来へ導くため”となっており、過去の英雄に出会って歴史を改変する壮大なファンタジー作品としての演出を冒頭にやることで、読み手に対して期待感を煽り、その先の物語を読ませるつかみにもなっていて良かったです。

そして、【歴史の改編】を目論むだけに、いわゆる【歴史からそれたときの代償】がいかに危険か。それを象徴する概念の存在もシンプルかつインパクトのある演出で表現されていて、形のない存在に直面して窮地に立たされた時の絶望感がひしひしと伝わってきて手に汗握りました。

新人賞作品としても個人的には『続きが読みたい!!』と思える作品なので、可能であればオーバーラップ文庫には是非とも続巻を検討してもらいたいものです。