働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!!

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!! (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

《あらすじ》
異世界に必要なのは勇者でも女神でも魔王でもない! この鈴木だぁ!! あれ山田じゃん。何か女神っぽい奴に異世界召喚されかかってるじゃん。なになに? 山田が魔王を倒す勇者? おーい山田! 面白そうな話してんな。オレが代わりに異世界行ってやるから授業のノート取っとけよ。 …あぁん? 勇者になりたいから嫌だぁ? 勧誘して魔王暗殺の訓練積ませた少年兵を『勇者』と呼ぶって、それテロリストの手口じゃん! お前ぼっちだから騙(だま)されてんだよ! おい女神、賢いオレが魔王と和平交渉して(しかるのちに異世界を支配して)やるから連れて行け! ん? お前だれ? 一味違った異世界ものを探してる読者? 仕方ない、一緒に来いよ。でも拾ったアイテムとかは全部オレのね!!

純度100%のクズ。建前なしの本音のみの言動。女神を言葉巧みにだまして山田の代わりに異世界に行こうとする鈴木の行動からは、ある種のNTR属性を臭わせる不可思議な感覚に襲われる。冒頭からの主人公が山田→鈴木にチェンジのインパクトもさることながら、口が上手ければどんな環境下でも順応して生き延びることができることを改めて感じさせられました。もっとも、異世界で鈴木の魔の手にかかる人間たちがこぞって“アホ”なのも原因があると思うけれど……

異世界では『職業』『スキル』などのシステムが公然のものとして扱われるなかで、『騎士』『聖騎士』『盗賊』の職業がもつ個性とそれに絡めた展開も織り交ぜられていて、“世界の命運を握る魔王との戦い”といった本筋に絡んでくるものや“盗賊の鑑定眼スキルで食材の性質を鑑定して食レポをしよう”みたいなネタにも広げられていて、幅広く“異世界”のもつ物語の醍醐味を楽しませてくれる作品でした。

また、現代日本から異世界に召喚させられる作品には珍しく、異世界から現代日本に帰還するまでも少しながら描かれていて、ファンタジー世界の住人を現代日本のハイテク技術の宝庫に招き入れたときのコミカルなやり取りが、これまでにあまり見たことのない新鮮な光景として映りました。

アマゾンレビューでは星1つ★☆☆☆☆の評価でおさまっていたけれど、個人的には星3つ★★★☆☆くらいには手堅く楽しめる作品だと思いました。