働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ゲーム・プレイング・ロールver.2 妹が邪神になりまして。

ゲーム・プレイング・ロールver.2 妹が邪神になりまして。 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
マナトの妹・まどかがエンドール村で働き始めてはや1週間―平々凡々なマナトと違い、まどかの剣術・錬成術は一級品、ロボット操縦もお手のもの。一方ルピアはロボットモノの仕事をきっかけに、マナトが気になるご様子で。そんないつもとちょっと違う村に、『裏ボス』イベントの仕事が舞い込んできたのだが…ある“ウラ事情”からまどかがボス=『邪神』を演じることになり、あげく『邪神スーツ』の力で暴走してしまい―!?

ターン制の戦闘でおなじみのロールプレイングゲームからレトロなシューティングゲームなど、ゲームの世界におけるありとあらゆるお約束を作中で平然とメタってくるたびに、妙に一本筋が通っていて納得させられそうになる。
ゲームの世界の住人たちが『初見のプレイヤーには死を』、『頑張ればクリアできる程度』かつ『頑張れば死なない程度』を意識し、『プレイヤーに対してのワンターンキルはなるべく避ける』、『裏ボスだから二回攻撃くらいの特例は許される』『ターン制だから相手の攻撃が絶対に避けない』。そんな、ゲームの世界の住人たちが徹底的に顧客を満足させるために固めた計画のもとで、ゲーム業界が作り上げられている……、ものすごくバカバカしいけれど、それを真面目にやる姿が失礼ながらコミカルに映ってしまう(笑)

基本的にギャグ路線の作品を書いてくる作者で、いつも独特の世界観を創り上げてくるけれども、誰もが疑問を持たないような『ゲームの世界の常識』に、あえてメスを入れてくるところが絶妙にツボって笑いを誘ってくる。
2巻も勢い衰えることなく面白いので、まだ読んでいない人には是非ともおすすめしたい作品です。