働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

クズと天使の二周目生活

クズと天使の二周目生活 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
俺、雪枝桃也は三十歳の構成作家。先輩作家や知り合いから仕事をもらって食いつないでいる。同期はアイドルと結婚。かつての仕事仲間はそれぞれ栄達を果たすなか、一人まったく売れていない。誰が悪いんだ?頑張りすぎたあいつらか?頑張らなかった俺なのか?そんなあるとき、俺は工事現場の落下事故に巻き込まれ命を落とすが、それは天使のミスだった!?救済措置で過去に戻れる?それなんてチートですか?お笑い芸人、天津向がおくる勝ち組への再起を懸けた人生やり直しコメディ!!

「もし、あのときに○○していれば……」、天使のうっかりミスで命を落とした売れない作家が10年前に戻り、構成作家としての人生をやり直す。芸能界に身を置く人間にしか書けない景色、そこにタイムリープの要素を盛り込むことで、クリエイティブな職種の中でも新たなジャンルを切り開いていて、フレッシュな感覚で楽しむことができる作品でした。

全体のイメージとしては“構成作家”について深く掘り下げるというよりも、“構成作家”を含めた芸能界全判に視点を広げた内容。10年前に戻ってかつて自分が犯してきた失敗と再び繰り返さないために、積極的に活路を見出そうとする光景。そこに、タイムリープに付きまとう修正力。さらに、過去に戻る際に天使に告げられた禁足事項の数々。

単純にタイムリープを果たして、輝かしい未来を手に入れるために青臭く努力する……、だけで済むほど甘くはなく、ここぞとばかりに修正力の存在があえて困難な人生を歩ませようとしている。そんな主人公の第二の人生には、常にハラハラドキドキさせられる。

作中ではお笑い芸人がちょこちょこ登場しているけれど、自分が把握している範囲では“長州小力”と“U字工事”くらい。いや、もしかしたら他にもいるのかもしれないけど……。ウォーリーを探せ感覚で探してみるのもありかも。

2巻に続く際の新展開もエピローグにねじ込んできたし、売り上げ次第では続巻もあるかも?
自分の中ではわりと好感触な作品で続巻も希望したいので、できれば順調に売れていってほしいです。