働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい

ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
魅了の魔眼を持つせいで、心を通わせる相手がつくれない吸血鬼の少女・ルーミア。だからこそ、対等な“恋”に憧れていた―。少女漫画の続きを買いに日本へとやってきたルーミアは、そこで心を持たない不死者の青年・ゾンビと出会う。思い通りにならない相手に、感じたことのない苛立ちと嬉しさを覚えるが、ゾンビには何やら秘密があって!?人外ゆえに自分について悩むモラトリアムな美少女吸血姫のラブコメディ♪第1回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞作。

特設サイト
sneakerbunko.jp

吸血鬼の少女とゾンビの青年のガールミーツボーイ作品。吸血鬼が日光を浴びることができない体質に対して日傘をプレゼントするゾンビの光景や、死体しか食さないゾンビが回転ずしでネタだけを摂ってシャリを残していく光景。二人の人外の生き物をラブコメディの世界に落とし込んだことにより独特の掛け合いや日常風景が生みだされていて、フレッシュな感覚で楽しむことができました。

ゾンビゆえに、相手の言葉を表面的にとらえることができず感情をくみ取ることができない。吸血鬼の少女・ルーミアが発する愛情の裏返しから発するツンデレな態度も素のリアクションで対応……すると何が起こるのか。天然の鈍感系キャラクターが爆誕するわけです。
読者目線で『ルーミアが発した言動だけを捉える』と、ゾンビの切り返し方にも納得がいく。しかし、ルーミア視点で描かれるゾンビに向けている心のなかの葛藤や感情のやり場に目を通していくと、ルーミアがゾンビに対して激情を覚えるのが嫌というほどわかるし、このうえなくラブコメとして綺麗に成立していて面白い。

趣味が読書で少女漫画も嗜むルーミアも期待に胸を膨らませた、回転ずしでゾンビと食事デートに興じたワンシーン。
ルーミアの頬についたご飯粒。ラブコメの王道ならゾンビが食してルーミアが赤面する場面にも思えるが、非情にも『捨てる』選択肢をとる。もう、この一点に『吸血鬼の少女とゾンビの青年が織りなすラブコメ』の全てが詰まっているといってもいいと思う。
この二人の関係が今後どのようなものになっていくのかがとても楽しみです。