《あらすじ》
中学のころ病弱で引きこもりがちになり、ゲームしか友達がいなかった少年・坂木修司。いつしか有名実況プレイヤーとして知られた彼だったが、最近はゲーム依存から抜け出し、少しずつ体調改善して「普通の高校生活」を目指していた。だがそんなある日、黒歴史として封印していた過去の動画をある人物に見られてしまう。藤代姫佳。修司のクラスメイトで、文武両道の優等生。しかし彼女は、厳しい親の教育方針と「学校やクラスメイトからの期待」に疲れ、何かまったく別の「夢中になれること」を探していて―?“脱ゲーム”をしたい少年と、ゲームに「やりたいこと」を見出し始めた少女の、かけ違いゲーム青春コメディ!
前作に引き続きテレビゲームを題材にした作品であり、『脱ゲーム”をしたい少年と、ゲームに「やりたいこと」を見出し始めた少女の、かけ違いゲーム青春コメディ』として世に送り出したのだろうけど、ゲームと青春コメディを両方バランスよく取り入れた結果、突出した持ち味がない没個性の作品に成り下がっている感じが否めない。
藤代姫佳がゲームにやりたいことを見出したきっかけが、厳しい親により抑圧された家庭環境からくる反動のようなものであり、作中でも語られるシーンがあることから物語の後半にかけて関連付けた展開が用意されるのかと思ったがそうでもなかった。
坂木修司が脱ゲームを掲げるなか、かつてのゲーセン仲間に弱みを握られ対戦を申し込まれ、同級生の藤代にゲームの教えを乞われ、しぶしぶ承諾してなんやかんやで根っこの部分で“まだゲームが好き”であることを自覚させられる。
ゲームをプレイするシーンのゲーム内の細かいシステムまで丁寧に描かれていて、キャラクターを通じてプレイしているなかでの和気藹々とした光景が楽しめてよかったです。
しかし、全体的にみると『前作に比べて突出した要素が感じられず消化不良に終わる作品』という印象が強く残ります。
総合的な評価は『ゲーム青春コメディとして普通に面白い』くらいに留まるので、ひとつ個性を強調する要素が欲しかったところではあります。
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