働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけて―「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。『おはよう』『味噌汁美味しい?』『遅ぉいぃぃぃぃぃ』『元気出た?』『一緒に寝よ』『…早く帰って来て』家出JKと26歳サラリーマン。微妙な距離の2人が紡ぐ、日常ラブコメディ。

家出をした女子高生とサラリーマンのなし崩し的に始まった同居生活。家出をしてことあるごとに男の家を転々としてきた少女・沙優が善意だけで家に泊めあまつさえ生活の面倒を見てくれるサラリーマンの吉田に出会うことで、彼女の育った家庭環境や境遇が植え付けた
固定概念のようなものを徐々にほぐしていく繊細な描写が丁寧に描かれていて素晴らしかった。
沙優のセリフの端々にも年齢相応の幼さの残るニュアンスがうかがえて、独身生活の長い吉田の家にいつも帰りを待ってくれている女性がいるだけでどことなく癒される感じもある。
一人暮らしは自分以外の生活音の発信源がなくなり自宅内の静寂がより顕著に感じられるのだけど、沙優が現れてからは会社から自宅に戻る楽しみも生まれ、生活習慣も規則正しくなり、身だしなみに関しても同僚の目からわかるほどに改善されて、『吉田のなかでも何かが変化しつつある』ことを実感させる描写がある。

そんなサラリーマンの吉田と女子高生の沙優の同居生活が始まるきっかけから、日々の生活を通じて二人のなかで芽生える変化の兆し、そして『女子高生と同居』がもたらす修羅場とラブコメの嵐。
どれをとっても傑作としか言い様のない素晴らしい作品であり、角川スニーカー文庫から送り出されたカクヨム書籍化作品としては大きな成功例ともいえるので、是非とも今後の活躍を期待したい作品です。


ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (角川スニーカー文庫)

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (角川スニーカー文庫)