働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

僕と死神の七日間

僕と死神の七日間 (電撃文庫)

《あらすじ》
「私は死神。あと七日で死ぬことを君に伝えに来たの―」塾の帰り道の交差点で出会った、僕にしか見えない彼女は、死を告げに来た死神だった。頑張ったところで意味なんてない。尊敬する兄の死後、僕は生きる価値を見いだせないでいた。それがあと七日だと聞かされたからって、どうだというのだ。そんな僕を哀れんだのか、彼女は一緒にとびっきりの七日間を過ごそうと提案してきて―。生きることに執着しない僕と、生きて欲しいと願う死神が過ごした、切なくも美しい七日間の物語。

近いうちに死が訪れる人間にしか見えない少女と余命7日を宣告された少年によるボーイミーツガール。
生きる価値も見いだせず、兄の死により家族との関係にも亀裂が生じ、生に対する執着も薄く自殺企図も芽生える精神状態。鬱々とした雰囲気を醸し出す幕開けで物語が始まっていくところに、わずかな余命を全力で生きて悔いの残らない人生にしてほしいと願う可憐な少女が現れて一気に華やかな雰囲気になります。作品全体の印象はポップなものにして読みやすく作りつつ、生と死をテーマに重厚でなおかつひとりの少年の死生観を変えるとてもスペクタクルな物語でした。

死に神の少女と過ごす日常も少年に対して“生きてほしい”という願いからくる行動が様々な演出で体現されていてとても美しかったです。もちろん、死に神ですから現実世界への物理的干渉はできず、物にはさわれないので一緒に食事をとることもできず、オカルト的な存在であるため映像には一切残りません。しかしながら、洋服屋で主人公に見合う洋服をあてがったり、旅行先で自撮りツーショットを撮って楽しむ光景からは、ただひたすらに短い人生を楽しんでいるという気持ちが伝わって心に響きました。

主人公が余命宣告されてから7日後にはたしてどのような結末を迎えたのか……。自分としてはスッキリした読後感で結末を迎えた素晴らしい作品だと思います。
電撃文庫の新作のなかでもイチオシの作品ですので、是非とも読んでみてはいかかでしょうか。
イラストレーターの和遥キナさんの描くヒロインのイラストは素晴らしかったです。個人的にはカラーの目次のところの立ち姿のイラストが一番ツボに刺さるくらい可愛かったです。

僕と死神の七日間 (電撃文庫)

僕と死神の七日間 (電撃文庫)