働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

始まりの魔法使い5 始まりの時代

始まりの魔法使い5 始まりの時代 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
竜歴1150年。ついに“私”たちは、魂の光を手がかりに、最初の生徒を探すための旅に出た。しかしそれは、人類最大の脅威ともいえる竜の縄張りを抜けていく危険な旅路でもあった。ようやく遙か東にある巨大な王国・マシロにたどり着いた“私”は、そこで、純白の鎧に身を包んだ“竜殺しの英雄”アイシャと―「あなたがここにいらっしゃることは、門で出会ったときから薄々わかっておりました。あなたは…竜、なのでしょう?」運命の出会いを果たして―!?短い命を燃やし、その身を焦がすように恋をした少女の想いは、悠久の時を超えて、“始まりの魔法使い”と、その愛する者たちを危機から救う―!第1回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞作品。

ヒイロ村で暮らす住民たちの生と死を幾度となく見送ってきた先生とニーナ。竜歴にして1000年以上連れ添ったパートナーに芽生えた恋心と悠久の時を超えて再び巡り合うことになった“アイ”の存在を天秤にかけた三人の複雑な関係性が心に染み入ります。
永遠に近い命を有する“先生”と“ニーナ”の距離感は長年の共同生活と種族的な価値観も踏まえても家族愛に近いものを感じていました。“先生”の唐変木で鈍感な視点からはニーナに対する恋愛感情を読み取れる描写もないので。
そして、“アイ”の存在を示唆する運命の歯車が回りだしてから一転。これまでのニーナの一貫していた態度ががらりと変わり、彼女の内に秘めた想いと真相が語られることになり衝撃を受けました。人間として定められた寿命を持つ“アイ”と永遠に等しい寿命を持つ“ニーナ”の人生観が1000年の時を越えて恋に歯止めをかけることになっているとは……。
“先生”と“ニーナ”をはじめ、剣部の一族が連綿と受け継いできた強さ、多くの種族が暮らす村で育まれる様々な人生観と身を焦がすような恋模様。命がもたらす感動を多彩な展開で見せてくれる素晴らしい内容でした。